台湾のまちづくりから日本は何を学べるか。都市計画のキーワードは「夜市」「流動」? 三文字昌也さんインタビュー
外壁がカラフルでフォトジェニックな正濱漁港彩色街屋。
北部に位置する台湾最大の都市「台北」 台北市は、台湾の政治、経済、文化の中心地で、総統府や立法院などのほか、台北101などの高層ビルが立ち並んでいます。
・南機場住宅、華江整宅社区 「南機場住宅は、6つの団地、計61棟、5,632の住戸から構成されるマンモス団地群。華江整宅社区は、1970年代に建設された共同住宅群です。公共住宅の住みこなし、使いこなし。どこまでが私的空間で、どこまで公的空間か? 考えながら、散歩してみると面白いですよ。南機場には夜市もあります」
・新富町文化市場、東三水町市場 「新富町文化市場は、台北市萬華区にある文化施設です。1935年に建設された公設市場を、2017年にリノベーションしてオープンしました。東三水町市場は、台北市萬華区にある公設市場。公民連携のリノベーションの好事例です。現役の老舗市場アーケードに隣接して共存している点が興味深いです」
南西部に位置する台湾の歴史や文化、自然を体感できる都市「嘉義」 嘉義市は嘉南平野北部の中心都市です。
・文化路夜市 「市の中心にあるメインストリートである文化路が夜に車両通行を止めて夜市になる事例。まちの使いこなしを体感できるのでは」
南西部に位置する古都「台南」 台南市内には、歴史的建造物が数多く残され、グルメの街としても有名です。
・永楽市場、國華町 「台南随一のグルメストリートですが、路上への展開や永楽市場の建物の使われ方、屋台の形などをみながら歩くと楽しさアップ。朝と夕方で風景が違うのも面白いところ」
・その他 「もともとなんでもなかった普通の通りが、近隣商店同士の繋がりや新しい店舗の出店でにぎわい、観光客が増えていった場所が結構あります。そんな事例である新美街、正興街をあてもなく散歩するのも楽しいで」
台湾最大の港を有する「高雄」 高雄市は、台湾の経済と貿易、文化的中心地として知られており、多くの博物館や美術館、劇場があります。
・哈瑪星 「高雄の最も古い市街地の一つで、日本式の家屋も残っていますが、地元の団体が一個一個の建物を丁寧に保存、活用し続けています」 ・駁二芸術特区 「もともとの鉄道駅や倉庫・関連施設を中心に広大なエリアをアートスペースとして公園化しています」 「『流動的なまちづくり』と僕が言っているものを本当に実践するために、近々、僕も東京で飲み屋台をやらないとな……!」と三文字さん。日本と深い関わりのある台湾のまちづくり。「都市を使いこなす」という発想は、今の日本の都市に新しい風を吹かせることでしょう。 ●取材協力 ・三文字昌也さん ・合同会社流動商店
内田優子