10月から料金制度変更 「先発医薬品」希望で負担増も…薬局では医薬品不足に拍車の懸念
山陰中央テレビ
10月から医薬品の料金制度が変わります。医者から処方された医療用の医薬品には、新規で開発された「先発医薬品」と、同じ有効成分の後発品である「ジェネリック医薬品」があります。ジェネリック医薬品は、先発薬と同じ効き目ですが、開発費が少なく、価格が安くなっています。このうち、1日から先発医薬品を希望する場合、差額分の4分の1の自己負担額が増えるという制度が始まりました。 例えば、先発医薬品が1錠100円、ジェネリック医薬品が60円の場合、差額40円の4分の1+消費税の11円が上乗せされ、111円となります。ジェネリック医薬品を率先して選んでもらい、医療費の抑制を図ることが国の目的ですが、この新たな制度が始まることで、薬局はある問題を懸念しています。 1日から始まった新たな医薬品の制度。自己負担が増えるのは、あくまで「ジェネリック医薬品」で代用が利くものの、「先発薬」を希望する場合のみで、医師が先発医薬品を必要だと判断した場合や、薬局にジェネリック医薬品の在庫がない場合は、対象外となることから影響を受ける人はそこまで多くないと考えられています。しかし、松江市の薬局はある問題に直面しています。 かわたに薬局・薬剤師 川谷恭典さん: このビタミン剤もジェネリックですけど、これについてはコロナの途中から全然入ってこないですし、ここの在庫注意って書いてあるものも、コロナからほぼほぼ入って来なくなっていたものになります。 全国の薬局では、「ジェネリック」の薬品メーカーの不正発覚による生産停止や、新型コロナなどの感染症の流行により、風邪薬などの在庫が少ない状態が、現在も続いています。 かわたに薬局・薬剤師 川谷恭典さん: 発注してもないところがあるので、残りの在庫を見ながら、患者さんに使う薬を日数を変えてもらったりとか、なければ薬を変えてもらったりと、できる限り患者さんに薬を提供できるように薬を発注したり、ほかのものに変えたりしているのが現状です。 この薬不足の状況の中、新しい制度が始まることで懸念されるのが…。 かわたに薬局・薬剤師 川谷恭典さん: 先発医薬品を使っているだろうと思われる患者さんの薬がすべて変わるとなると、さらに不足して、ジェネリックが使いたくても使えないという状況は、増す可能性はあると思います。 これからの季節、感染症の流行が懸念されるなか、新しい制度によってジェネリック医薬品に希望が集中することで、常態化している薬不足に拍車がかかることを危惧しています。 かわたに薬局・薬剤師 川谷恭典さん: これからも(薬が)少なくなってくると、薬局側としても薬の確保にはすごく苦労するんじゃないかなと思います。
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