イラン大統領「戦争求めない」 イスラエル攻撃受け ガザ停戦協議ではエジプトが新提案
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルの軍事攻撃を受けたイランのペゼシュキアン大統領は27日、「戦争は求めないが、国は守る」とし、「攻撃に見合った対応」を取ると述べた。また、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続ければ緊張を高めると警告した。国営イラン通信が伝えた。 ガザで続くイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘を巡る停戦協議はカタールの首都ドーハで27日に再開され、米国やイスラエルからは情報機関トップらが参加した。 協議を仲介するエジプトのシーシー大統領は27日、戦闘を2日間休止してハマスが拘束する人質のうち4人を解放し、イスラエルが投獄している複数のパレスチナ人を釈放する案を新たに提示したと明らかにした。 これを端緒に恒久的停戦を目指して交渉を行う方針とみられるが、イスラエルとハマスが受け入れるかは不透明だ。 一方、中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(電子版)によると、イスラエル軍の攻撃を受けてガザでは27日に少なくとも53人が死亡した。イスラエル軍は親イラン民兵組織ヒズボラを標的にレバノンでも攻撃を続け、27日は21人が死亡した。 ガザ保健当局によると、昨年10月の戦闘開始以降のイスラエル軍の攻撃による死者は4万3千人近くに達し、負傷者は10万人を超えた。