奇跡起こした東海学園大、敗退目前“崖っぷち”から4分間で1-2→3-2大逆転!! サブから劇的弾の3年生DF大塚一希「出たら絶対にやってやるぞと思っていた」
[12.16 インカレ決勝ラウンド第2節 九州産業大 2-3 東海学園大 本城] 第73回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は16日、決勝ラウンドのグループリーグ第2節を行い、北九州市の黒崎播磨陸上競技場 in HONJOの第2試合は東海学園大(東海3)が九州産業大(九州1)を3-2で破った。後半38分に勝ち越しゴールを許し、一度は敗退決定目前の崖っぷちに立ったが、同40分からわずか4分間での連続得点で劇的な逆転勝ち。自力でのベスト8入りに望みをつないだ。 【写真】「プリンセスすぎる」「激かわ」なでしこ清水梨紗がディズニーへ 16日の開幕節で筑波大に0-3で敗れた東海学園大と、大阪体育大を1-0で破った九州産業大による地方勢対決。東海学園大は負ければ敗退決定、九州産業大は勝てばベスト8入りが決まるという中、互いにボールを主体的に動かしながら戦う攻撃的なスタイルを志向していることもあり、立ち上がりから多くのチャンスを作り合った。 まずは前半7分、東海学園大は左サイドハーフのMF香川太朗(2年=藤枝明誠高)が積極的に仕掛け、MF村田達哉(4年=中央学院高)への惜しいクロスを供給。一方の九州産業大も前半10分過ぎからFW中山大耀(2年=清水東高)が立て続けにヘディングシュートを狙い、相手守備陣に脅威を与えた。 そして前半14分、東海学園大が先に試合を動かした。右サイドで複数の選手がうまくローテーションし、相手のマーカーを混乱させると、MF細井律(3年=東福岡高)、FW久保周太郎(2年=東海学園高)とつないだパスに村田が反応。最後は縦突破からグラウンダーのクロスを送り、ファーサイドに走り込んだFW長谷部希星(2年=帝京大可児高)が滑り込みながら決めた。 ところがその後は九州産業大が組織的なボールポゼッションで優勢を保ち、前半34分に同点に追いつく。5-4-1の右CBと4-1-4-1のアンカーを兼ねるようなポジションを取っていたMF伊藤励雅(3年=興國高)が高い位置でさばき、右を攻め上がったDF岩崎海駕(1年=清水ユース)がクロスを送ると、飛び込んだのはMF菊地雄太(4年=東海大熊本星翔高)。身長174cmとは思えない高い打点のヘディングシュートで沈めた。 後半は両チームともに選手交代を多用する中、東海学園大がDF佐藤颯真(3年=東海学園高/横浜FC内定)とDF近藤悠翔(4年=中央学院高)の安定感ある守備で守りつつ、左サイドバックのDF上野滉太(3年=聖和学園高)のドリブルを中心に攻撃を展開。そのまま1-1で迎えた後半32分にはMF八塚龍芽(3年=聖和学園高)が惜しいミドルシュートも放った。 しかし後半38分、次に試合を動かしたのは九州産業大だった。ロングスローのこぼれ球を拾ったのを起点に仕掛けた攻撃でDF田中想楽(3年=興國高)が左足のフィードを送ると、DF藤吉春翔(2年=鳥栖U-18)と中山が続けざまに落とし、最後に詰めたのは長谷部。冷静に流し込み、1点目に続いて重要な局面での勝ち越しゴールとなった。 このままでは東海学園大は1試合を残して敗退が決まるという状況。だが、そこで下を向く選手はおらず、爆発的なリバウンドメンタリティーを見せた。 まずは後半40分、パワープレー攻勢から上野が左サイドをえぐると、折り返しが相手に当たって軌道を変え、そこにルーキーの途中出場FW高橋旺良(1年=中央学院高)が詰めて同点。同43分にはまたも上野が深い位置にもぐり込み、折り返しを今度は高橋がゴール右に送ると、そこに飛び込んだ途中出場DF大塚一希(3年=神戸弘陵高)が滑り込みながら決めた。 劇的な勝ち越しゴールを沈めた大塚は、3年生として迎えた今季も「出場時間も確保できず、外から見る時間が多かった。悔しい思いをずっとしてきた」という苦労人。「それでも試合に出た時は絶対にやってやるぞという強い気持ちを持って常に練習してきた。悔しい思いをずっとしてきた中で、自分を信じて練習を続けてきた」という努力がインカレという大舞台で実り、わずか4分間での大逆転劇を仕上げた。 そのまま試合はタイムアップ。東海学園大は目の前に敗退決定が迫る崖っぷちの状況から大逆転で生還し、首位・筑波大に勝ち点1差で迫った。18日の最終節は北九州市のミクニワールドスタジアム北九州で、東海学園大対大阪体育大、九州産業大対筑波大の順で実施。東海学園大も九州産業大も勝てば自力でのベスト8入りが決まる。