スバル 次世代アイサイトにオンセミの画像センサー AI精度高め死亡事故ゼロめざす
運転支援システム「アイサイト」の次世代プラットフォームの開発を進めるSUBARU(スバル)は、米半導体大手オンセミのイメージセンサーを採用すると発表した。鮮明度と精度が高く、AI(人工知能)の最適な視覚データ取得のために使用する。スバルはBEV(電池駆動車)開発のためさまざまな企業と協業し、死亡交通事故ゼロに向けた取り組みを加速している。 【関連写真】協業の位置づけを語るスバルの柴田CDCO 今回採用するオンセミの「Hyperlux」ファミリのイメージセンサー「AR0823AT」は露光制御に優れる。環境にかかわらず鮮明な画像を映す全画素設計と、明暗を詳細に再現するハイダイナミックレンジを備えるためだ。 スバルが開発を進めるADAS(先進運転支援システム)で重要な役割を担うAIの画像認識を、さまざまな環境に合わせて正確に行う。スバルが強みとする2台のカメラで立体視するステレオカメラに搭載することで、夜間や遠距離の歩行者を検出でき、安全性が向上する。 スバルの柴田英司CDCO(最高デジタルカー責任者)は「カメラで車をリアルタイムに制御するのは他社にあまりなく、われわれにとってオンセミのイメージセンサーがベスト」と話す。 スバルはBEV開発のため各種協業を進めている。4月には米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の組み込み機器向けSoC(システム・オン・チップ)の導入を発表していた。 特にオンセミとの協業は10年以上にわたり、今回はそれを更新した形だ。オンセミのハッサーン・エルコーリーCEOは「スバルはわれわれの製品のポテンシャルを最大限引き出してくれる」と期待を込める。 次世代アイサイトはスバルの掲げる「2030年死亡交通事故ゼロ」という目標に基づき開発が進んでいる。そのため、高級車だけでなく同社が開発する全ての新車への搭載を目指す。
電波新聞社 報道本部