ホンダの三部敏宏社長が初めて触れた「業界変革」の具体的な中身、「0(ゼロ)テックミーティング2024」で見たホンダの行方
■初めての「踏み込んだ」発言 そのうえで示したのが「(従来のような)開発、生産、売り切る(ビジネスの形)とはかなり変わってくる」とのイメージだ。各種事業が動き出すのは、ゼロシリーズが市場導入される2026年からの想定だという。 2028年ごろにはゼロシリーズの中古車が生まれ、バッテリーのリユースなどが始まるため、2030年代までに新しいバリューチェーンが動き出すというシナリオだ。 また、SDVに対しては「ソフトウェアとともにハードウェアの進化も必要」だとして、車載システムのハードウェアには導入初期から一定以上のスペックを持たせる必要性を示した。
ハードウェアの導入サイクルも、半導体の高度化などにともない「3年程度で進化する」との見解だ。 また、ソフトウェア領域は今後、自動車産業やIT産業界での標準化が進むことも想定されるため、単独での収益性については慎重に考えていくという。 最後に、このような自動車産業のバリューチェーンに対するホンダの事業方針については、「また別の機会を設けて説明したい」と語った。 バリューチェーンの変革について、ホンダとしてここまで踏み込んで話したのは、筆者が知る限り今回が初めてだ。EVシフトを踏まえたホンダのビジネスモデルのシフトは、これからもフォローしていきたい。
【写真】プロトタイプ車両から技術展示まで0テックミーティングの中身
桃田 健史 :ジャーナリスト