「Googleに依存しない環境」の構築方法。プライバシーの専門家が教える4つの注意点
2. 別の会社にそっくりそのまま乗り換えない
Vertesi教授のアドバイスに従う場合、Googleの製品を一度に1つずつ、ほかのものに徐々に変えていくことになります。 「だったらいっそのこと、ほかの企業の製品一式と丸ごと取り替えてしまえばいいのではないか?」という誘惑に駆られている人もいるかもしれません。 けれどもVertesi教授は、「それでは問題の解決になりません」と指摘します。 1つずつ別のサービスへと乗り換えるアプローチには、メリットがいくつかあります。 まず、1つの企業があなたの全情報にアクセスできる状態を回避できること。そしてもう1つは、いろんな新しいツールを試し続けられることです。 「私にとって重要なのは、選択肢がたくさんあることです」とVertesi教授は述べます。 「Googleの代わりに何を使っているのですか?」と人から聞かれたときには、「いろいろ使っていますよ」と答えるようにしています。 今回の取材中も、Vertesi教授は実にさまざまなツールをすすめてくれました。 たとえば、メールならProtonとZoho、ファイル同期ならDropboxとResilo Sync、オンラインドキュメント編集ならCryptPadといった具合です。 さまざまなツールをなるべく多く組み合わせれば、データを別の場所に保存できるだけでなく、特定の作業に最適なツールを選ぶこともできます。
3. OSを変える
Androidスマホは、Googleがユーザーについて情報を集める主要手段の1つだと言って、ほぼ間違いありません。しかし、だからといって必ずしもスマホを買い替える必要はありません。 Androidの代わりに、/e/OSをインストールすればいいのです。 /e/OSはオープンソースのオペレーティングシステムで、Pixelシリーズなら、インストールはそれほど難しくありません。しかも、Googleのアプリはいっさい入っていないので、その影響が及ぶ心配はありません。 これがダメなら、iPhoneも選択肢の1つになりえますが、環境面を考えると、買い替える日が来るまで待つべきかもしれません。 Chromebookも、OSを交換しないかぎり脱Googleはできません。 Vertesi教授が検討をすすめるのは、LinuxディストリビューションのElementaryOS。インストールが簡単で、操作もわかりやすいOSだそうです。 このどれもが難しすぎるなら、総合的に見て、Appleの製品はプライバシーに優れていると、Vertesi教授は話しています。 Appleの製品は、使い勝手のよさという点でベストです。プライバシーやセキュリティーも重視されています。 そして、プライバシーに関して言えば、「Windowsはもはや適切な選択肢ではないと思います」と付け加えました。