「まぶた欠損」で生まれた1歳息子をYouTube配信する両親の決断
それでも、身長87㎝、体重10.8kgとなり、同年齢の子の中でも大柄なほうだ。孝輔さんの口の動きを真似したり、おもちゃのピアノを弾いたり、元気にたくましく成長している。 「あ、未来が泣いてる。パパちょっと見てくれる?」 取材中、しほさんが孝輔さんを促した。はた目には未来くんの表情に変化は見られない。呼吸を確保するために生まれたときから気管を切開しているので、未来くんは声を出せないのだ。また、まぶたを閉じることができないため、目で表情を作ることも難しい。でも、2人には未来くんの「泣いた」「笑った」などの感情の変化がわかるという。
帰り際、「よかったら、おもちくんに触ってあげてください」と声をかけていただいた。しほさんと孝輔さんに愛おしそうに見つめられた未来くんの小さな手を握る。 はた目ではなく正面から向き合うと、その空気感から確かに彼が笑っているのがわかった。それは、ただただ幸せそうな子どもの笑顔に見えた。
折野 美佳 :東洋経済 編集者