〈食べログ3.5以下のうまい店〉おでんと土手焼が名物の大阪・西天満の和食店。だしの利いた、どこか懐かしい味わいに脱帽
扉を開けると、カウンターの向こうにおでんと土手焼がぐつぐつと煮立った大きな鍋があり、店前の香りの理由に合点がいく。壁に掛けられた木製のメニュー札にはかきフライ、えび天麩羅、たたみいわしなどの手書きの文字がずらりと並び、おいしいものがいただける雰囲気に溢れている。
店主は2代目の常廣尚平さん。大阪の箕面の出身で、フランス料理店で経験を積み、現在の店へ。「最初はおでんと土手焼の店でしたが、どんどん和食のメニューが増えていって、会席のコースなどもお出しするようになりました」と常廣さん。
1階はカウンターとテーブル席、2階には6室の個室があり、シーンによって使い分けができる。お客は仕事帰りのサラリーマンが多く、冬場は宴会が行われることも多々。
門上さん「おでんの牛すじとこんにゃくの土手焼に懐かしさを感じました!」
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名代おでん、名物土手焼のほかにも、造り、揚げ物など一品料理は多数そろう。また、おでんと土手焼が入ったセットや会席のコースもある。日本酒も20種類以上がそろい、大阪「片野桜」特別純米酒など地元の純米酒がおすすめだ。
まずはおでん。真昆布、鰹をベースにしただしを継ぎ足して使っている、しっかり“だしの味がする”王道なおでんだ。味付けはみりん、酒、醤油で、砂糖は使用しない。
門上さん「おでんはだしの味が素材にとてもよく染みています。」
そして、こちらは名物の土手焼。だしに白味噌、みりん、少しの砂糖を加えている。
門上さん「非常に上品に仕立てているのが、技だと思います。」
コース(8,100円)の前菜は、季節の素材が盛り込まれている。
門上さん「季節感をたっぷり感じます。お酒が進む料理ですよね。」
門上さん「一見普通ですが、照り焼きが甘すぎず、ぶりの味わいをうまく引き出しています。」
今、あるものを守り続ける
今後について、常廣さんに尋ねてみた。「おでんや土手焼など受け継いだものを、ただ、守っていくことですよね。変わらずに、ずっと続けていければうれしいです」とのこと。食べ手としても、どこか懐かしさを感じるこの品々をこの先ずっと、食べ続けていきたいものだ。