<挑む・センバツ2023東邦>心に余裕と笑顔を 野球部の活躍「闘魂」にまとめ13年 後援会事務局長・加藤さんエール /愛知
東邦が出場する第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社・日本高校野球連盟主催)は、18日に開幕した。同校OBの加藤博幸さん(72)は野球部の活躍をまとめた新聞「闘魂」を13年間発行する。加藤さんは「今のチームは優勝してもおかしくない力がある。まずは初戦に勝って、勢いに乗ってほしい」と期待を寄せる。 高校時代は軟式野球部に所属していた。卒業後は東海市役所に勤務する傍ら、母校の硬式野球部を応援するようになった。2008年に野球部後援会から誘いを受け役員を担い、10年に事務局長に。その際に当時の担当者が発行していた「闘魂」を引き継いだ。 「闘魂」には試合で活躍した選手の写真のほか、監督や部長らのコメント、編集後記なども掲載する。そのため、試合がある日には必ず球場に足を運び、選手たちの活躍を写真に収める。「(撮影法は)教わったことはないから、撮りながら学んだ」 試合後は編集だ。紙面に必要な記事も書き、レイアウトを含め全て一人で作成する。「一度手を付けたら没頭するタイプ」といい、作業は深夜まで及ぶことも。自宅のパソコンで3日ほどかけて編集すると、印刷会社に発注して完成する。刷り上がった新聞は保護者や学校関係者に配られている。 長年、東邦野球部を見つめてきた加藤さん。現在のチームについて「石川瑛貴主将がしっかりリーダーシップを発揮し、まとまりのあるチーム」と評価する。 センバツでは、エースの宮国凌空の立ち上がりがカギになるとみている。「気持ちをしっかり持ち、強みの速球を投げられれば大丈夫」と話し、攻撃面では「4番の石川がしっかり打つことができれば、下位打線にも打てる選手がそろっているので大量得点も可能だ」と語る。センバツで平成最初と最後に優勝した当時のチームに共通していたのは「野球を楽しみ、笑顔だったこと」。現在のチームは「笑顔が少し足りない」といい、「心に余裕とスマイルを持って」と願う。 もちろん甲子園にも足を運ぶ。「学校として令和初めての優勝を果たす選手たちの姿を撮りたい」。笑顔で勝利を喜ぶナインの姿を、レンズ越しに見るのが夢だ。【森田采花】