【伊原春樹コラム】広島が首位を走る理由が表れたサヨナラ勝利 広島打線に徹底されている次の打者へ“つなぐ意識”
6月27日のヤクルト戦、9回二死二塁から13球粘った末に四球で出塁した石原[写真=井沢雄一郎]
【伊原春樹の野球の真髄】 戦前の予想に反して広島が首位を快走している理由が表れた試合ではなかったか。6月27日のヤクルト戦(マツダ広島)だ。広島が連勝して迎えた3戦目、広島打線は相手先発の石川雅規に6回2失点に抑え込まれた。3タテを食らいたくないヤクルトは大西広樹、木澤尚文、山本大貴を繰り出し必死の継投で勝利をつかみにきていた。2対3と広島ビハインドで迎えた9回裏。当然、ヤクルト守護神の田口麗斗が広島打線の前に立ちはだかる。 だが、広島打線はしぶとい。まず先頭の三番・上本崇司が右前打。続いて打席に入ったのは小園海斗だ。長距離砲とは言えず四番タイプではない小園は、“4番目の打者”という意識だろう。本人も週刊ベースボールのインタビューで「『四番だからこうしよう』という考えは全然なくて、ただ後ろにつなぐことだけを考えている」と語っている。この場面でも初球の高めストレートを三塁前に転がした。自分も生きることを考えたバントだったが・・・
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週刊ベースボール