老いた親の経営する幼児教室、継ぐ?継がない? 悶々とする子ども、「七田式」の新たな試み ~全3回の3
◆七田式の教室、後継者は悩んでいた
―七田式では「各教室の事業承継をサポートする未来会」を設置しています。 幼児教室は1988年にスタートし、1990年前後に参画した教室が多いんです。 今、それらの教室が軒並み30周年を迎え、40歳ぐらいで脱サラして始めた先生は70代。 さすがにこの後のことを考えなくてはいけない。 そこで、5年前に「未来会」を立ち上げたんです。 会長は息子ですが、次期経営者になる先生たちの息子や娘、事業承継者経営ら、30代が中心になった会です。親の幼児教室を「いずれ自分も継がざるを得ない」と、一人で悶々としていた人が全国あちこちにいたんです。 未来会では、悩みの相談にアドバイスし合ったり、勉強会や飲み会もしています。 会員は10年後か20年後、先代が去った後に中心人物になり、七田式はさらに強固なつながりになっていけると思っています。 事業承継の情報や気持ちを共有する場は、今後とても重要になってきます。 二代目だから親がやってきたことを踏襲する、守るということは大事ですが、一方で何をするかは自由でもあります。親が残してくれたステージで、自分の得意なことをやればいい。 自由な発想で、もっと気楽に、事業承継に臨めばいいんじゃないかなと思っています。
■プロフィール
しちだ・教育研究所 1978年、七田眞により島根県にて設立。世界の未来を担う子供たちを、大きな志と奉仕の心を持ち、自らリーダーシップを取れる子に育てることを目的とする「七田式」教育を掲げる。1987年、七田厚が代表取締役社長に就任。国内約230教室に加えて、世界16の国と地域に展開。日本発の普遍的な教育として、言語や文化を越えて世界各地で実践されている。