お医者さんだけが知っている。Apple Vision Proを手術で使う理由
今年3月、Apple(アップル)のVRヘッドセットApple Vision Proが手術で活用されました。実際に Apple Vision Proを装着したのは執刀医ではなく手術助手。ヴァーチャルスクリーン上で手術状況のモニタリングが行なわれました。 Apple Vision Pro用の手術ソフトウェアを開発したのはeXeX。AIを活用した医療用ソフトウェアを手掛ける企業です。 VRヘッドセットを使った手術と聞くと、ヴァーチャル空間を介したリモート手術や、空間に立体表示される体の組織など未来的な画を想像します。ですが、eXeXが目指しているのは、語弊を恐れずに言えばぶっちゃけとっても地味な世界。目標は手術の流れをよりわかりやすく整理整頓することなのです。 「外科医療は非常に複雑で近代的なものだと思われています。ですが、実際は地球のあらゆる業界の中でも、たぶん一番古風なんじゃないかな」 そう語るのは、eXeXのCEOで神経外科医のRobert Masson氏。 「紙にメモしながら記憶と推測で勝負する、カオス状態なんですよ」 Masson氏によれば、画期的な治療法が注目される一方で、実際の外科医療の基本たる部分には焦点は当たらず、その体制は遠い昔のままだといいます。この旧体制をモダンにアップデートし、手術をよりスムーズで整理されたものにしたいというのがeXeXの狙いです。 これが実現し、幅広い場で採用されれば、外科医療にとって大きなブレイクスルーとなります(関連ビリオネアも生まれるでしょうね)。 eXeXは主にタブレット端末で使用するソフトを開発していますが、新たに登場したApple Vison Proの存在はまさに理想。医療業界のブレイクスルーは近いかもしれません…。 eXeXのRobert Masson CEOに、米Gizmodoがインタビューしてきました!