編集者からの深夜のLINEで起こされた。雑誌の仕事が深夜作業だったのは過去の話。フリーランスは働く時間を自分たちで決めるしかない
◆働く時間は自分で決める モヤモヤは更年期に良くないと、散歩をしながら連絡について考える。 「不必要な時間の連絡には出ない」。つまり、我々フリーランスは働く時間を自分たちで決めて、それ以外の時間は対応しないと毅然とした態度でいるしかない。自分がいつ何時でも対応できるという、柔軟性の塊のような人物ならいいけれど、残念ながら自分はその類ではない。ちなみに仕事用のスマホのメール通知は切っている。 「連絡に対応しないと発注がなくなるかもしれない」 そう危惧するフリーランスもいるかもしれないけれど、一度でも深夜の対応をすれば、ずっと発注側の時間につき合って、自分のペースを崩すことになる。受ける方はいじめと同じだ。それなら他の仕事を探していく方が、心身にはずっといい。これは発注側も同じだと思う。のべつ幕なしに相手の状況も考えずに連絡してくる相手とは、仕事をすることはない。ここに善悪の判断をつけるのではなく、自分には非はないと、決めた時間を働けばいい。 ちなみに深夜の連絡について、個人的には「緊急事態であればO K」としている。例えばスチール撮影で、自分がディレクターとして全スタッフのスケジュールを管理しているのなら、トラブルには真っ先に対応しなくてはならない。実際にコロナ禍は何度も撮影前夜に「感染の疑いが出ました」と、モデルの所属事務所から連絡をもらったことがある。それ以外でも些細なトラブルは生じるので、大きく何かが動く日の前日はスマホを離すことはない。 でも前述の編集部員くんのように「返信せねば!」というぶっちぎりの焦燥感と、マナー違反が混ざった対応は別物とカテゴライズする。 細かいことを考えてしまったけれど、発注側と受注側。どちらも信用の積み重ねだ。おかしな時間ばかりに連絡をしてくるような人物だと、本当の緊急事態には対応してもらえない、オオカミ少年になってしまう。つまり常日頃の行動が、大きく作用する……と、いうキャリアおばさんのお節介演説、理解してもらえただろうか?