2026年のドゥカティ100周年祭は、ぜひ皆でイタリアへ!【ドゥカティ最大の祭典WDW 2024に参加】
文/Webikeプラス 小川 勤 【画像】現地の様子をギャラリーで見る(36枚)
ドゥカティはとても小さなメーカー。本社を訪れてその事実を思い出す
僕がドゥカティ本社を訪れるのは6年ぶり、そしてWDW(ワールド・ドゥカティ・ウィーク)は8年ぶり。それだけに僕の気分はこの旅が決まって以来、ずっと高揚していた。そしてイタリアに飛ぶ数日前に守秘義務の契約書が送られてきて、さらに気分が昂った。なぜなら、今回のWDWの前日にNEWパニガーレV4Sの発表があることを知ったからだ。ただただ楽しみでしかなかった。 WDWは、2年に1度ドゥカティがリミニの街にあるミザノ・ワールド・サーキット マルコ・シモンチェリで開催する、世界中からドゥカティファンが集るイベントだ。今回はせっかくなので、まずはボローニャの本社を訪問。工場を見学し、ムゼオ(ミュージアム)を楽しむ。ちなみにボローニャとリミニは、車で1時間ほどの距離だ。 工場見学(撮影は禁止)の説明を聞いていると、改めて気づきがあった。ドゥカティの現社員は約1200人、そのうち120人がコルセ(レース部門)だという。国産メーカーと比較すると、驚くほど会社の規模は小さい。そんな少数精鋭がつくるバイクは世界のレースに挑み、勝ち続けているのである。レーサーも市販車も新しいものを作り出す力を持ち、多くのモデルで貪欲にパフォーマンスを追求。そしてレースにも挑み、そのフィードバックや世界観を上手に使ってきちんとブランディングを構築している。改めて面白いメーカーだなぁ、と思う。ムゼオには4~5回ほど来ているが、何度来ても何時間でもいたくなる至福の空間を今回も堪能した。 この日の夕方からは、ボローニャの街を散策。イタリアも日本と同じ真夏だが、夕方以降は湿気がなくとても涼しい。翌日はミザノサーキットのあるリミニに向かう。
デザインとテクノロジーを最高のエンジニアリングで融合させたNEWパニガーレV4S、アンベール!
車でボローニャからリミニへ向かう道中、何台ものドゥカティに抜かれた。さまざまなナンバーをつけたドゥカティを見ると、欧州各国からWDWに向けてファンが集まっていることがよくわかる。リミニのホテルにチェックインしたら、プレスカンファレンス参加のためミザノサーキットへ。すでにリミニの街中はドゥカティだらけで、翌日から始まる祭り(WDW)の興奮がそこかしこに感じられる。 サーキットのエントランスは加藤大治郎通りになっていて、やっぱり久しぶりにこの標識を見ると色々と思い出す。サーキットのパッドックには「Wonder Engineered」と書かれたボードがあり、その奥のドーム状の部屋に進むと、真っ赤な空間が広がっていた。 予定時間を15分ほど過ぎたところで、CEOのクラウディオ・ドメニカーリさんがプレゼンを開始。NEWパニガーレV4Sがアンベールされた。噂の両持ちスイングアームに釘付けになる。デザインとテクノロジーを今ある最高のエンジニアリングで融合させたというそのコンセプトは明快。次々と発表される新しいアイデアと技術を見ると、NEWパニガーレV4Sが既存のスーパースポーツの常識を打ち破ることを予感させてくれる。 発表会の後はメインタワーの屋上でパニガーレーV4Sを眺めながら、ワインやシャンパンを嗜む。20:30になると、みんなが一斉にSNSに先ほどの発表会の模様をアップ。食事はメインストレートで21時から予定だが、始まったのは22時近くなってから。まあ、ヨーロッパではよくあることだ。 メディアやインフルエンサー、各国のインポーターが集まった食事会には、ドメニカーリさんを筆頭にドゥカティの重鎮が揃って参加。しかし、ここからが凄くて、しばらくすると4台のパニガーレV4Sが突然走行しながら出現。ライダーはタキシードを着た、バニャイヤ、バスティアニーニ、バウティスタ、ブレガというファクトリーメンバーで会場は騒然。同時に8台のパニガーレV4Sのレプリカカラーも発表された。土曜日にこのレプリカカラーのパニガーレV4Sでレースを行うのである。 最高の時間を過ごしつつも、デザートが出てきたのは0時近く。時差ボケもあり眠さはマックス。すでにイタリア&ドゥカティを十分に満喫した気持ちになっていたが、明日からがWDW本番である……。