「顧客基盤を生かしたリテールメディアと、神戸を起点とした地域共創にチャレンジ」: 株式会社フェリシモ 市橋 邦弘氏
2023年はAIの年だった、と言っても過言ではないだろう。この新しいテクノロジーの出現と急速な発展は、拡大と変化と混乱が相まって形作られている、デジタル領域を象徴するような存在にも感じられる。 一方で、デジタルの未来は不透明だ。市場におけるすべてのプレイヤーが、先の見えないなかでいかに足場を固め、次のステップへと進めるのか模索を続けている。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2024」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに2023年を振り返ってもらい、2024年に向けてどのようなチャレンジを企図し、次なる成長を実現しようとしているのか伺った。 株式会社フェリシモにて、新事業開発本部・副本部長を務める市橋邦弘氏の回答は以下のとおりだ。
──2023年に挙げたもっとも大きな成果はなんですか。
2023年に挙げたもっとも大きな成果は、担当する新規事業領域で取り組んでいる「今後の収益の柱」の育成です。 当社の定期便プラットフォームに取引先事業者が出品・出稿できる「フェリシモ・パートナーズ」や、自社のサブスクリプション事業に最適化された配送センター「エスパスフェリシモ」を活用し、国内外のEC・D2C事業者の商品開発・調達・物流・EC運営の支援を行う「フェリシモ・フルフィルメント・サービス」など、手探りで立ち上げた新規事業がいずれも安定した収益の柱として成長してきました。 また、当社が2024年から2039年までの15年間にわたって、神戸ポートタワーのプロデュース事業者として選定されたため、さまざまな事業活動を実施していきます。同事業は当社の中核事業のみならず新規事業とのシナジー効果も大きく期待されるため、その準備を積極的に推進しています。
──2024年に向け見えてきた課題はなんですか。
2024年に向け見えてきた課題は、以下の2つです。 新規事業のさらなる立ち上げ 既存事業の成長/拡大の推進 新規事業領域における全社に対する影響度はまだまだ小さいことが課題といえます。着手できていない新規事業領域に対して、適切なタイミングに、適切な価値を、その価値を必要とされる相手に今後提供し続けていきたいと考えています。 そして、安定稼働に入った新規事業は既存事業といえると思いますので、さらなる成長/拡大するためには何がキードライバーになるのかを見極めて、限られたリソースをそこに集中することで少しずつでも着実に「成長する芽」を見つけていきたいと思っています。 また、どちらにも共通して「自社だけではリソースが足りない」課題も顕在化していますので、昔からおつきあいのある各界のオーソリティの方々や、商品・サービスを一緒に創り出していただいているビジネスパートナー、そしてなにより長らく弊社を応援してくださっているお客さまとの長年の実績を礎に、課題を乗り越えていきたいと考えています。