《奥深いヘビの世界へようこそ》世界の4100種を“ざっくり分類”で解説 食べ物の好き嫌い、糞をため込む小太りヘビ、頸の後ろのフードを広げるコブラは少数派
ニシキヘビ、ボアの仲間 超大型種として知られる一方、ペットでも人気
ニシキヘビ科はユーラシア大陸とアフリカ大陸、オーストラリアに分布し、アメリカ大陸には生息しない。一方のボア科は主にアメリカ大陸に分布する。ニシキヘビ科とボア科は超大型種を含むことで知られている。 超大型として知られるアミメニシキヘビ(全長は最大で約9m)はニシキヘビ科、オオアナコンダ(全長は最大で約9m)はボア科に属する。ただし、両科ともに1mほどにしか成長しない種もおり、そうした小型種でも△△ニシキヘビとか、××ボアと名付けられているので、名前から「大蛇」を想像していた人は“がっかり”というパターンもある。 一方、両科には毒を持つ個体はおらず、「大型=毒ヘビ」という図式は基本的に成り立たないことがわかる。 かつてこの2科は同じ科とされ、それぞれが亜科(ニシキヘビ亜科、ボア亜科)を構成していたが、近年は別科に分類されることが多い。約4100種にも及ぶヘビは分類の変更が行なわれることは珍しくなく、図鑑の発行年によって名称や分類が異なることもしばしばだ。研究者としては厄介な話ではあるが、半面、最新の学説は思わぬ発見も多いので学習意欲も湧いてくる。 ニシキヘビ科ではアミメニシキヘビ、インドニシキヘビ、ビルマニシキヘビ、アフリカニシキヘビなどが大型種として知られている。 ボア科ではオオアナコンダ、キイロアナコンダ、ボアコンストリクターなどが大型になる。動物園等で人気があるのはやはり大型個体で、特に太めの体形のオオアナコンダは5m程の個体でもかなりの存在感だ。 4mを超えるような個体は攻撃力(咬む力や絞める力)が強く、ヒトが命を奪われることもある。前述のとおり有毒種はいないので、絞殺や出血多量などが死因となる。また野生のオオアナコンダに襲われて水中に引き込まれると、直接の死因が「溺死」となるケースもあるようだ。 一方、両科の中には模様の美しさも相まってペットとして人気の種もいる。ボールパイソンは1mを超えるものの、餌付けも比較的容易で温和な性質なので飼育しやすい。スナボア類は1mほどにしか成長しないため、小型のケージで飼育できる。そうした理由からペットとしての流通量が多い。