金やダイヤモンドなど違法採掘する「ザマザマ」、南ア警察が「兵糧攻め」で565人拘束
【ヨハネスブルク=笹子美奈子】南アフリカの警察は3日、金鉱山などの廃坑を乗っ取って違法採掘する移民「ザマザマ」の取り締まりを行い、565人を拘束したと発表した。廃坑の出入り口を封鎖して水や食料の供給を妨げ、脱水症状や飢餓で地上に出てきたところを拘束したという。 【写真】掘っ立て小屋の脇に座り込んで雑談する若者(5月、南ア・ヨハネスブルク近郊で)
警察は北東部オークニーの廃坑で数日間かけて取り締まりを行った。坑道に1000人近くがこもっているとみられ、地下生活を1年以上続けている人もいるという。昨年12月以降のザマザマ対策では、1万3600人以上が拘束され、3200万ランド(約2億7700万円)相当の未加工ダイヤモンドを押収した。
南アでは国内総生産(GDP)の2割超を占めていた鉱業が1980年代以降に衰退し、ザマザマが廃坑で違法に採掘するようになった。隣国モザンビークやジンバブエからの不法移民が多く、危険な労働環境で極貧の生活を強いられている。ザマザマとはズールー語で「幸運への挑戦者」を意味する。治安悪化の要因とされ、今年5月の総選挙ではザマザマ対策が争点となった。
採掘された金の多くは、国際犯罪組織を通じて中東ドバイなどに送られているという。