BofAの株売りシグナルが点灯、投資家の現金比率が過去最低
(ブルームバーグ): ファンドマネジャーは現金への資金配分を過去最低水準にまで減らしている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)によれば、これは世界株式の売りシグナルの可能性がある。
BofAの調査によると、ファンドマネジャーの運用資産総額に占める現金比率は12月に3.9%まで低下した。この動きは過去に、MSCIオールカントリー・ワールド指数の下落につながったと、ストラテジストのマイケル・ハートネット氏が指摘した。
同調査によればまた、投資家は米国株に資金を投入している。米国株への配分はネットで36%という過去最高水準まで増加した。
米国の力強い成長に対する楽観的な見通し、ハト派的な中央銀行、中国経済復活への期待などに後押しされ、株式相場は上昇してきた。
アナリストは何カ月も前から、世界的な株高が終焉(しゅうえん)する時期を正確に捉えようと取り組んでいる。
2011年以降、BofAの売りシグナルが発せられるたびにMSCIオールカントリー・ワールド指数はその後の1カ月に2.4%下落してきた。
米インフレブームに賭け
トランプ次期米大統領が提唱する「米国第一主義」政策が国内の企業収益を押し上げるとの見通しから、投資家は今年、米国株に殺到した。
ハートネット氏は、「成長促進政策への期待から、ファンドマネジャーは来年の『米インフレブーム』に賭けている」と説明している。
調査は合計4500億ドルの資産を運用する171の回答者を対象とし6-12日にかけて実施された。
回答者の7%が成長加速を予想しているものの、貿易戦争に端を発する世界的な景気後退が最大のテールリスクだと考えられている。
次いで大きなリスクとして、インフレが米連邦準備制度に利上げを促すことが挙がっている。
原題:BofA Says Stocks Flash Sell Signal After Cash Holdings Tumble(抜粋)
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Sagarika Jaisinghani, Michael Msika