【プリンス関西プレーオフ】チームのために走り、チームのために戦う三田学園!大阪1部優勝の大阪学院大高を破り決定戦へ
12月14日、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2024プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)1回戦がJグリーン堺で行われ、三田学園(兵庫)が大阪学院大高(大阪)を2-1で下し、15日に行われる決定戦に進出を決めた。 【フォトギャラリー】三田学園 - 大阪学院大高 今シーズンの三田学園は兵庫県リーグを12勝3分3敗の勝点39で2位。対する大阪学院大高は大阪府リーグを12勝4分2敗の勝点40で優勝し、このプレーオフに進出してきた。 試合開始からボールを握ったのは大阪学院大高。前線は高さのあるFW18オカフォー仁ウィリアム(3年)を真ん中に、左にMF11室田幸哉(1年)、右にFW19小川晴大(1年)。この3枚にインサイドハーフのMF9小西理仁(2年)とMF14村崎隆豪(2年)が良い距離感で絡み、両SBもタイミングを見計らって前線に顔を出していく。10分にはスルーパスを受けたオカフォー仁が抜け出しGKとの1対1を迎えたが打ち切れず。 対する三田学園はボール保持の時間こそ少ないものの、FW10姫田琢斗(3年)とFW11堀家柊真(3年)の2トップが時より破壊力をチラつかせる。14分には右からのクロスが流れたところから姫田が左足で惜しいシュートを放つ。すると17分、相手陣内に入ったところでボールを受けた姫田がワンタッチでDFと入れ替わる。「イチかバチかだったんですが、ワンタッチで抜けられた」そこから持ち前のスピードでボックス深くまで持ち込むと、相手を引き付けてからマイナスのパス。これを堀家が「姫田くんがお膳立てしてくれたので、僕は決めるだけ」と難なく沈めた。三田学園は押し込まれながらも2トップだけで先制点をゲットしてみせた。 1点ビハインドとなった大阪学院大高も37分、右サイドから攻め込むと、小西が上げたクロスがゴールを襲う。このボールがGKの手をかすめ、逆サイドネットに吸い込まれる。これで大阪学院大高が同点に追い付き、試合は振り出しに。1-1のまま前半を終えた。 後半に入り2枚替えを行った大阪学院大高はバイタルエリアで小西と村崎が躍動し次々とチャンスを作る。三田学園も3枚替えを行い姫田を左サイドに移すなどこれに対処。MF14俟野幸太(1年)の突破や、MF21佐伯太壱(2年)のミドルなどでゴールに迫る。すると80分、カウンターからチャンスを作ると、佐伯からのボールで抜け出した堀家が「GKが前に来ていたので上を狙いました」とループシュートを放つ。これがゴールに収まり三田学園が勝ち越しに成功した。 これで追い込まれた大阪学院大高がここから怒涛の攻撃を展開したが、三田学園は神戸弘陵対策として準備していたという5バックを公式戦で初めて使うなど1点を死守する構え。黒瀬直弥主将(3年)と山﨑駿太朗(2年)の両CBが身体を投げ出してシュートをブロックすれば、姫田も足を攣るまで守備に奔走。最後までゴールを守り抜き、そのまま試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響いた。 三田学園は1点を失ったものの、1試合を通して見事な守備をみせた。試合後、福島康太監督は「トレーニングから身体を張れないと試合では使えないという話をしているので、"誰かのために身体を張る" "誰かのために走る"をやろうと。デュエルで負けない。粘り強くいって2枚目3枚目で取る。ということをずっとやってきたので、それが良い方に出た」と選手たちの戦いぶりを賞賛。 姫田も「総体と選手権で負けてしまってタイトルが取れなかったので、チームに貢献したいという気持ちが強い。新人戦では1-0から残り1秒というところで追いつかれてしまった。その時はみんな声が出てなくて、悔しい思いをしたので、今日はチームを鼓舞しながら、足が攣ってもいいと捨て身でやっていました」とチームのために戦っていたと明かした。 見事に1回戦を突破した関西学院。指揮官は「選手権が終わって3年生が勉強のために何人か引退して、交代を含めチームで勝つしかないと、残ってくれた3年生がほんまに頑張ってくれているので、この子たちのためにも、三田学園の未来のためにも勝たなあかんと。もっともっと強い三田学園を作るにはプリンスに行かないといけない。ほんとにしんどい試合でしたけど、あそこで粘れるのがうちの良さなので、勝ててよかったです」と安堵し、「三田学園の未来のために、いつも通り真面目に走って喋ってチームで勝ちに行きます」と次戦を見据えた。 「明日で3年生は最後なので絶対に勝ちたい。次の三田学園を強くするためにも明日はがんばりたい」と話したのは2ゴールでチームを勝利に導いた堀家。姫田も「いままで負けてきたので最後は勝って笑顔で終わりたい」と決戦に向けて意気込みを語った。 プリンス復帰に向け、三田学園は15日に東山B(京都)と激突する。 (文・写真=会田健司)