AWS、AI向けデータセンターの電力効率を大幅に向上
Amazonのクラウドコンピューティングサービス部門であるAmazon Web Services(AWS)は、ラスベガスで開催中の年次イベント「re:Invent 2024」で米国時間12月2日、液体冷却と再生可能エネルギーに重点を置いたコンピューティングインフラストラクチャーのさまざまな変更を発表し、同社のサービスの効率がオンプレミスコンピューティングの4倍向上すると主張した。 AWSはプレスリリースの中で、Accentureに委託して実施し、オンラインで公開したレポートを引き合いに出しながら、「AWSのインフラストラクチャーは、現時点でオンプレミスのインフラストラクチャーより最大で4.1倍効率が高く、ワークロードがAWSで最適化されている場合は、関連するカーボンフットプリントを最大で99%削減できる」と述べている。 この日発表された革新的な取り組みは以下の通りだ。 配電システムの効率化により、故障が起きる可能性のある場所を20%削減する。 高密度のコンピューティングチップを「さらに効率的に」冷却できる液冷方式サーバーと、液冷方式と空冷方式を統合した冷却システムにより、自社の「AWS Trainium2」チップやNVIDIAの統合ラック「NVIDIA GB200 NVL72」に搭載されているプロセッサーに対応できる。 ラックに電力を供給する電源シェルフの刷新により、「ラックの電力密度が今後2年間で6倍、将来的にはさらに3倍向上」し、「1サイトあたりの計算能力が12%以上高まる」ため、必要となるデータセンターの総数が減少する。 データセンターの建設に低炭素鋼と低炭素型コンクリートを使用するほか、全体的な鉄鋼の量を削減する。 データセンター内のラックの配置を人工知能(AI)モデルで最適化することにより、「余剰電力」、すなわち十分に活用されていない電力を削減する。 補助発電機を「生分解性で無毒な燃料」であるリニューアブルディーゼルで動かすことで、「化石燃料のディーゼルと比べて、温室効果ガスの排出を燃料ライフサイクル全体で最大90%削減」できる。 AWSは、「自社の事業で消費されるすべての電力を100%再生可能エネルギーで賄うという目標を、当初計画していた2030年より7年早く達成した」と述べている。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。