西麻布で飲み歩く“港区女子”が「丸刈りのモンチッチ」に…グラドルから競輪選手に転身した日野未来(31)が経験した“想像を絶する”トレーニング
デビュー戦は3着、お客さんからは「全然強くないじゃん」
ーー2018年3月には競輪学校を卒業し、晴れてプロになります。 日野 奈良競輪場でデビューして、最初のレースは3着でした。競輪は3着までに入れば車券に絡めるので、お客さんのためになります。なので、とりあえず3着に入れてほっとした気持ちと同時に、先輩のスピードがすごくて圧倒されました。 初勝利は2場所目の岸和田競輪場でした。憧れた先行(ラインの先頭を走る走行戦法)をしてみたら、逃げ切りできたので、それで初勝利でした。ただエリートの子はデビュー戦で1位をとっちゃうので、置いていかれた感じもして。お客さんには「学校の記録会で1位だったのに、デビュー戦3着なの? 全然強くないじゃん」ってものすごい言われました。 私は期待されることのプレッシャーはあまり感じないんですけど、自分でもギャンブルをやっていた分、お金が賭けられたことに対して、すごくプレッシャーを感じます。負けると申し訳ないって気持ちが大きい。だって私に賭けた100円が帰りの交通費だったかもしれないので。
ーーお金がかかっている分、ヤジとかも飛びますよね。 日野 ひどかったら「死ね」「家燃やすぞ」とか、ダイレクトに「クソヤロー」「遊んでないで練習しろ」とか、意味のわかんない下ネタだったり本当に色々言われます。 ヤジを気にするか気にしないかは人それぞれなんですけど、ただ私は気にしないんです。自分がギャンブルに賭ける方だったので、ヤジを飛ばす気持ちがわかるから。「次は言われないように頑張ろう」「ありがとうって言われるように頑張ろう」と思って、いつも走っています。
プロになってから突き当たった2つの壁
ーープロになってから壁などはあったんですか? 日野 めっちゃありました。競輪には「代謝制度」というものがあって、成績の悪い選手はデビューしてから早くて1年半でクビになるんです。 私は初勝利も先行だったし、もともと先行に憧れて競輪の世界に入ったので先行ばかりしていたら、それを利用されるケースが増えて成績が振るわなくなって、代謝制度の対象の点数になっちゃったんです。 周りから「先行はとりあえず封印しろ」と言われても、先行がやりたくて入った世界だという思いも強くて。それでも「今まで他の業界ではスターにはなれなかったけど、この競輪の世界ではスターになりたい」と思い直して、まずは3着以内に入れるレースを組み立てるようにレースを変えて、クビを逃れることができました。 ーーそれが最初の壁。次の壁は何だったんですか? 日野 先行以外のレーススタイルをするようになって、ある程度成績が残るようになってきたんですけど、そこでこのままだとここ止まりだなという限界を感じて、このあとどうすればいいのかと悩んだ時期がありました。 その時はグランプリに出ている一流選手だったり、自分が気になった選手に「何の練習しているの?」「何の部品を使っているの」っていろいろ聞きました。練習もいろんな人のところに行ってトレーニングをして、いろいろと吸収しました。 今までは自分にお金をかけていたんですけど、そこからは自転車の部品やフレームだったり自分以外のことにお金をかけて実践するようになりました。特に自転車のフレームを最新のものにしたのは大きかったです。そうしたら成績がどんどん伸びていって、先行でもまた勝てるようになっていったんです。 ――「自分にお金をかけていた」と話していましたが、具体的にどこにお金をかけていたんですか? 日野 学校生活からの解放感もあってデビュー後は、かわいい服を着たいなとか、髪を染めたいなとか、またグラドル時代のようなお金の使い方に戻っちゃったんですよ(苦笑)。ギャンブルも競輪には賭けられないんですが、競輪以外は良いのでネットで馬券を買ったりしてました。 そんなギャンブル生活になりつつあったときに、自分の競輪での成績を見比べたら「もっと強くなりたいし、一回ちょっと色んなことを我慢しよう」と思って、競輪に集中しました。強い選手ってかっこいいし、私もちょっとでも近づきたいと思って真似しました。 体重48キロ→74キロに増量、「おっぱいが邪魔」と考えることも…グラドルから競輪選手に転身した日野未来(31)が語る、レースにかける“熱い想い” へ続く
徳重 龍徳
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