漫画「あぶさん」41年の連載に終止符。初期の舞台ゆかりの地へ/大阪
漫画家、水島新司さんが実在するプロ野球界を舞台に描いた漫画「あぶさん」が、5日に発売されたビッグコミックオリジナル4号で41年にもおよぶ連載に終止符を打った。選手、指導者として南海、ダイエー、福岡ソフトバンクと、ホークスひと筋できた主人公の景浦安武(通称・あぶさん)。同号では水島さんがメッセージを寄せ、1973年1月、大阪府堺市にあった南海ホークスの中百舌鳥(なかもず)球場へ野村克也選手兼任監督(当時)を訪ね、景浦の「入団交渉」を行い連載を了承されたと記されている。原点となった球場をはじめ、大阪のあぶさんゆかりの地を訪ねてみた。 南海ホークス 40年前にみせた“死んだふり”とは?
あぶさんの入団交渉が行われた球場があった場所へ
水島さんが、あぶさんの入団交渉を行ったとされる中百舌鳥球場は、2軍の練習場として使われ、作中にもたびたび登場した。同府堺市北区の南海、地下鉄の中百舌鳥駅付近から東へ10分ほど歩いた場所に球場があったが、現在は大型マンションが建っている。 「なくなって10年以上はたつで」と話すのは近所に住む男性(65)。何か球場があったことを示すものはないか尋ねると「マンション玄関前にプレートがあるわ」と話し案内してくれた。「中百舌鳥総合運動場跡」と書かれたプレートには「2001年11月まで少年野球の練習場とした使用された後に閉鎖された」といった記述と、当時の写真が掲載されていた。 男性は「あぶさんが終わるんは新聞でみた。ここにあった球場も出てたけど、これで南海の灯が消えたようで寂しい気もする。もういっぺん読みたなったわ」などと話した。 また、付近を歩いていた近所に住む女性(70)は「南海懐かしいわ。近所には選手寮もあって私の知り合いが煮炊きをしてた。いま43歳の子供が小学校の時はよく見に来た。若い選手がよく汗を流してたわ。ナンバ球場(大阪球場)にもよう行ったわ」と懐かしそうに話していた。
大阪球場跡地は商業施設に。名残りのマウンド記念プレート
先の女性が言った「ナンバ球場」。これは大阪市浪速区にあった南海ホークスの本拠地「大阪球場」の通称だ。98年に解体され、跡地は現在、大型商業施設「なんばパークス」となっているが、パークス2階には、かつてのホームベースやマウンドがあったとされる位置に記念のプレートが設置されている。また、最上階にある「南海ホークスメモリアルギャラリー」には、ユニホームや優勝カップなどを多数展示。誰でも気軽に入ることができ、あぶさんのいた南海を楽しむことができる。同ギャラリーで展示物をみていると、隣合わせた大阪市内の男性(59)が「道頓堀に南海ファンが集まる店があるで」と教えてくれた。比較的この場所から近い。さっそくその店を訪ねてみた。 地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=34.66224237703757&lon=135.50167389510662&z=18