【ヤンチャすぎ】高2で大学生をボコボコにし、「女の子を連れて来い」と恐喝…“闇社会の帝王”と呼ばれた男の“荒れまくった学生時代”
「この沿線で一番強いんは、ワシや」私大に通う大学生を恐喝
高校2、3年生にとって当時の4000円、5000円はかなり大きかった。昭和32年に、フランク永井が「13800円」という歌を歌っている。当時の平均月給がそれであったのだろう。その3分の1から半分近い金額を数時間で稼ぎ出す。子供にとっては十分な上がりだ。 とはいえ、パチンコで儲けても、その頃の彼にとっては小遣いの足しにもならなかった。こんなことを明かすのもみっともないが、当時すでにシノギの中心は恐喝だったという。 ただし、恐喝の標的は、大学生と決めていた。沿線の私大に通うお洒落なファッションに身を包んだ兄ちゃんたち。どれくらい腕に自信があるのか知らないが、意気がっている奴らが大勢いた。ちょうど自己顕示欲に目覚める年頃ではある。 電車に乗り込むと、ギラギラした目と視線が交わることがたびたびあった。
「この沿線で一番強いんは、ワシや」 無言のうちにそう語りかけてくる。「喧嘩で決着つけようや」と言いたげな輩が大勢うろうろしていた。
喧嘩で負かした大学生に「女の子、連れて来い。紹介せえ」と…
許が「お客さん」としていたのは、一番かっこつけていて一番強そうで一番金を持っていそうな奴。これ以上のカモはない。 いざ開戦となれば、短期で決着。瞬間に一発入れて、バチバチッと片付ければおしまいだ。 もっとも、最初から金目当てだったわけではない。当初は金を取っていなかった。 「女の子、連れて来い。紹介せえ」 金の代わりにそんな注文をつける。 私立の女子校に通う生徒たちは同じく私学の男子校とつるむのがお決まりだった。何かとご縁があるらしい。その点、彼の通う高校は共学で府立。女子校の子たちがそんなダサい学校を相手にしてくれるはずがない。 喧嘩で負かした大学生たちは、女子高生を紹介してくれた。約束は果たしてくれた。だが、あくまで「紹介する」だけ。 女の子は一度は会いに来てくれるものの、後が続くことはなかったという。無理もない。なにしろ許はおっさんのような風体。札付きの不良である。許の晩稲ぶりはここでも変わらない。女の子がいてくれるだけで嬉しかった。指一本触れてもいない。 「その口の利き方は、なんや」「殴ってこいや」大学時代は“街の不良”とケンカ三昧…闇社会の帝王・許永中の“トラブルだらけの生活” へ続く
大下 英治,許 永中/Webオリジナル(外部転載)