【独占インタビュー】F1暫定首位・バルドラール浦安、小宮山友祐監督「負けたら、一瞬でひっくり返る。ここにいる以上、勝ち続けるしかない」14日、名古屋との超重要決戦へ。|フットサル
バルドラール浦安が好調だ。今シーズンは開幕から5連勝を飾り、夏の中断期間前の9試合で7勝1分1敗。堂々の単独首位を走っている。 【映像】F1暫定首位・バルドラール浦安、小宮山友祐監督の独占インタビュー 現役時代も浦安でプレーした元日本代表・小宮山友祐監督は今シーズンで就任5年目。悲願のリーグ初制覇へ向け、万全の準備を重ねて後半戦を迎えようとしている。 選手と共に戦う熱き指揮官は、今シーズンのチームをどう見ているのか。また、10月14日に迎える再開初戦・名古屋オーシャンズとの決戦、そしてリーグ初制覇の行方は──。まだ暑さの残る9月某日、小宮山監督にその胸中を聞いた。 インタビュー・文=福田悠
選手たちは本当によくやってくれている
──今シーズンの浦安は、第9節を終えて堂々の首位を走っています。小宮山監督は、ここまでのチームの戦い振りをどのように評価していますか? 首位で折り返せたという結果がなにより大きかったと思います。現在1位だからと満足するのではなく、リーグが終わった時に1位にいることが大事だよと伝え続けてきましたが、それって1位に立っていないと伝えられないことなので。第9節まででしっかり勝ち切れたことは改めて大きかったのかなと思います。 ただ、第6節の湘南ベルマーレ戦で敗れて、第8節のしながわシティ戦も引き分けてしまったので、「全部勝ちたかったな」というのは(中断期間に入ってからのオフが明けて)最初に選手にも伝えました。理想は9勝したかったですけど、簡単な試合は一つもなかったですし、当然、強い相手もたくさんいたので。現状7勝1敗1分で1位にいることには満足しています。選手たちは本当によくやってくれていると思いますね。 ──今シーズンここまで首位を走れている要因はどういった部分にあるとお考えですか? いろいろあると思いますが、ホームで戦ったペスカドーラ町田戦(第7節、5-0で勝利)までは、登録したFP全員を起用して勝つことができたというのがチームのなかで大きかったかなと。「自分が必要とされている」という認識を一人ひとりがもつことで自覚や責任が芽生えましたし、「自分も勝つために必要な存在だ」ということを改めて感じてくれたのがすごく大きかったと思います。チーム内での競争もよりいっそう激しくなっているので、そこはすごく良くなっていますね。 あと、ワールドカップには行けなかったですけど、日本代表に入っている石田健太郎、本石猛裕、長坂拓海の3人や、ロドリゴ、レアンドロ、(ピレス・)イゴールも含め、経験のある選手たちがチームを引っ張ってくれているのも非常に大きなことかなと思っています。 ──名前が出た日本代表の3人、石田選手、本石選手、長坂選手のプレーのすごみが今シーズンはさらに増しているようにも見えるのですが、その辺りはいかがですか? そこまで核心を突いた話というのは健太郎とも拓海ともしていないんですけども、彼らはアジア予選で敗退してしまったことに対してすごく悔しさを感じていたと思います。終わった直後はショックを受けていましたけど、切り替えて4年後を目指そうと、いま足りないところをしっかり補っていこうと取り組んでいますね。 本石に関しては今シーズンが始まった時はまだ日本代表に入ってもいなかったので、逆にこれから代表の主軸になることを目指して取り組んでいるのがプレーから伝わってきます。イゴールにしても、もう一度代表に入りたいという思いはあると思うので、そういう選手たちに若手が引っ張られているのかなというのは感じますね。 ──新加入のブラジル人選手2人もすっかりチームにフィットしていますね。 おっしゃる通りです。ロドリゴもレアンドロもすごく献身的にプレーしてくれていますし、それだけでなく仲間を思いやる気持ちが非常に強くて。ミスをしてしまった仲間に対しても励ますような言動をしてくれます。 プレーでも違いを見せてくれますけど、同時に献身性もある2人なので、それがうちのチームに合ったのかなと。助っ人の2人があれだけチームのためにプレーすれば、他の日本人選手たちも当然、刺激を受けますから。練習でも試合でも、グループへの献身性はチーム全体としても高まっていて、それは2人の振る舞いによるところが大きいと思います。 あと1stセットに関して言えば、レアンドロがフィクソでプレーできるようになったことが大きいです。正直、今シーズンが始まった頃は「どうかな?うまくフィットするかな?」という未知数な部分もありましたけど、オーシャンカップとその後のリーグ戦9試合を経てフィクソでのプレーが計算できるようになったので。その分、健太郎を1列前に上げられたことで、攻撃に厚みも出ましたし、ディフェンスでも健太郎が1列前に上がることでそんなに簡単に突破されることはなくなる。奪った後も一つ高いところでゲームをつくれることが、攻撃の厚みにつながったのかなと感じています。 ──たしかにいまの浦安の1stセットの攻撃力はかなりのものですし、選手たち自身も自信をもってプレーしているように見えますよね。 自信はもてていると思います。細かいことを言えば、長坂、石田、本石、菅谷(知寿)で出す時と、レアンドロと長坂を入れ替えて出す時ではリズム感が若干、違うことはありますけどね。本人たちもクワトロで回すとしても、他のことをやるにしても、リズム感を大事にしてボールをにぎりたいので。レアンドロがいきなりよくわからないところでエラシコとかするので、取られてカウンターを受けることもあるんですけど(笑)。 ただ、そういうもんだろと。ディフェンスの貢献度はレアンドロはものすごく大きいですし、エラシコで相手を抜いてチャンスにつなげている場面も多いですから。 ──右足イン・アウトで「トトン!」というリズムで繰り出すあの逆エラシコは彼固有の必殺技ですよね。 あれは初見じゃ絶対に取れないと思うんですよね。(ボールが動く)幅も広いし、かなり鋭いので。日本人選手4人で回している時とはパス回しのリズムは変わりますけど、一方でレアンドロの仕掛けがいいアクセントになっているのも間違いないので、両方あっていいのかなと思っています。 セットの組み合わせが少し変わるなかで、選手同士ですごく話すようになったので。コミュニケーションを密に取れていますし、実際、試合結果も数字上のデータも良いです。なので、セットに関しては、いったんこのままでいいんじゃないかなと思っています。