【独占インタビュー】F1暫定首位・バルドラール浦安、小宮山友祐監督「負けたら、一瞬でひっくり返る。ここにいる以上、勝ち続けるしかない」14日、名古屋との超重要決戦へ。|フットサル
「全部やり尽くした」という状態が準備として最低限
──中断前最後の立川戦が終わった後、8月末まで約1カ月におよぶ長いオフを取ったそうですね。選手たちもリフレッシュできたのではないかと思いますが、改めて長めのオフを取った狙いを教えてください。 まず、コンディションをしっかりと回復させてほしかったということですね。どう見ても疲れていましたから。それだけハードなトレーニングを積んできましたし、怪我人も何人か出ていたので。体も心もリセットするために、しっかり長い休みを取ろうと決めました。はじめは2週間か3週間にしようと思ったんですけど、今年の夏、めちゃくちゃ暑かったじゃないですか。自分も選手だったからわかるんですけど、この暑さや疲労があるなか、直近の試合がないのに練習するのはモチベーション的に厳しいだろうなと思って。選手たちは本当によく頑張って戦い抜いてくれたので、しっかり休んでもらおうと決めました。 ただ、うちの選手たちは真面目なんで、2週間くらい休んだらみんなサテライト(セグンド)とかU-18(テルセーロ)、ラス・ボニータス(女子チーム)の練習に自主的に参加したりしていましたね。「ほんとみんな真面目だな。休めよ」と思いましたけど(笑)。 ──小宮山監督ご自身は、休み中に少しゆっくりできましたか? シーズン中はなかなか家族と出掛けることもできないので、近場の海や山に行ったりしてリラックスして過ごせました。ただ、これは選手たちも同じだと思いますけど、休んでいる時に「こんなことしていていいのかな?」って思ってくるんですよね。「大丈夫かなこれ。スカウティングしなきゃ。やべえなどうしよ。本当になにもしないでいいのかな……ちょっと映像見とこうかな」と(笑)。 だから選手たちが他のカテゴリーの練習に参加する気持ちもよくわかります。自分も(リフレッシュしに行っているはずなのに)「俺こんなに休んでいていいのかな?」って逆に不安になっちゃって、すぐにいろんな映像を見ていました。 ──中断期間も心が休まりませんね(笑)。休みと言っても考えなければいけないことがいくらでもあって、いろんなことが頭にチラつくでしょうし。 そうですね。全日本選手権が終わった後の3月のオフとはまた全然違います。常になにかしら考えていたので。うちは子どもたちもフットサルが好きなんですけど、家族で海に行ってビーチサッカーをしている時に、次男が「アンドレシート!」とか言いながらシュートを打つんですよ。「やめろ、やめろ。その名前出すとお父さん仕事が気になるぞー」とか言って(笑)。まあでも僕自身いいリフレッシュになりましたし、選手たちもオフ明けにいい顔で集まってくれたので、長めに休めて良かったかなと思います。 ──中断期間明け最初の試合がいきなりリーグ7連覇中の名古屋戦ということで、現時点でどんな試合展開を思い描いていますか? 今年の名古屋は4枚(クワトロ)でボールをにぎって前進して、パラレラからチャンスをつくったりする形が多いですよね。今までのようにピヴォに直線的に当ててくるフットサルとは少し違うので。モビリティもありますし、新しい監督になって、昨シーズンまでとは違う特徴が出ているなという印象があります。 それに対して、自分たちがどう戦うのかということももちろん準備しています。「この部分に関しては自分たちのほうが上回っているんじゃないか」という点もありますし、それをどれだけ突き詰められるかだと思います。ただ一つ懸念しているのは、名古屋というチームは、負けられない試合や決勝戦、首位攻防戦とか、そういう試合にものすごく強いですよね。それはいまに始まったことではなく、自分が現役の頃からそうでした。現在の順位などに関係なく、間違いなく全力で倒しにくると思います。それを受け止めるとかではなくて、さらにそれを上回るような勢いでこちらもぶつかっていきたいです。 あともう一つ、あのクラブのすごさとして挙げられるのが、いきなり外国人選手を獲れるじゃないですか。だからこのオフ期間中は毎日、名古屋のホームページを見ていました。「今日は発表されてない。よしよし」「まだだな。よしよし」と(笑)。 知り合いの選手や監督経由で聞いて「名古屋、誰か獲る?あ、獲らない。あ、そうかそうか」と。もう9月中旬(インタビュー実施時)なので、「これからは獲らないだろう」って思うんですけどね。ワールドカップ終わりにいきなり世界レベルの選手を獲ったりできるクラブなので、そこはやっぱり気にはなりますよね。 ──なるほど(笑)。でも改めて、オフ期間中もいろんなことを想定しながら準備するんですね。 準備し過ぎても、し過ぎることはないと思うんです。何かやり残すことのほうが嫌なので。もちろん、しっかり準備をしたとしても、勝負事である以上、結果はわからないんですけど。選手たちにいい情報を与えられない、いい練習も、いい戦術も与えられないで負けたら完全に私の責任だと思うので。「全部やり尽くした」という状態が試合前の準備として最低限かなと思うので、どんな時でも常に頭のどこかにフットサルがあっていいんじゃないかと思いますね。 ──狙うのはもちろん初のリーグ優勝になると思います。最後に改めて、リーグ後半戦に向けての抱負を聞かせてください。 優勝することが一番の目標ですし、Fリーグタイトルをこのクラブにもたらすことが自分の使命だと思っています。選手たちもそれが自分たちがやるべきことだと感じているので厳しい練習にもついてきてくれますし、難しい試合も勝ち切ることができているので。 ここから真の意味で難しい試合がたくさんあると思います。でもいまいる選手たちと、スタッフと、ファン・サポーターのみなさん全員の力で浦安に悲願のFリーグタイトルをもたらせるように頑張っていきたいと思います。