【祝・次にくるマンガ大賞2024 Webマンガ部門1位!】『ふつうの軽音部』の”ふつうじゃない”面白さ
機熟……機は熟した! 読むなら今! ”編集者推し”から出会えた大好きな作品
祝!! 『ふつうの軽音部』が、「次にくるマンガ大賞2024」でWebマンガ部門1位!! 発表されたとき、思わずスマホを手に「やったー!」とニヤついてしまったのには理由があるんです。この作品の担当編集者は、元LEE編集部にいた後輩のSちゃん。漫画部署への異動ということで慣れないことも多かったと思うのですが、会うといつもにこやかで、楽しそうに仕事の話をしてくれていて。そんな彼女から「今度『ふつうの軽音部』っていう作品の連載が始まるんです」と聞いた瞬間、「よっしゃ、推す!」と決意。ジャンプ+での連載初回から“いいジャン!”(いいねボタン)をポチポチ押したり、フォロワー数の多い友人にオススメポストをしてもらったりと張り切って応援していたのですが、作品が数回分掲載されたところでふと気付きました。「いや、Sちゃん関係なく『ふつうの軽音部』、めっちゃおもろい! そして皆に推されてる!」。あっという間に大人気作品となり、著名人の方々からもおもしろい漫画として挙がっているのを聞くと、勝手にじ~ん(誰?)。そんな“編集者推し”から始まった応援ですが、今では完全にいちファン読者。毎回作品が更新されるのをワクワクしつつ待っています。
主人公の鳩野ちひろは高校一年生。中学時代に歌声をからかわれた経験からコンプレックスを抱えつつも、新品のギターを買って軽音部に入部します。そこで出会った同級生たちと紆余曲折ありながらもバンドを組んで、毎回のライブに向けて練習を重ねるというのがあらすじ……と聞くと本当に“ふつう”ですよね。主人公に特異な才能があるわけでもドラマティックな設定があるわけでもないのですが、そこがいいんです! 初ライブで失敗して落ち込んだり、夏休みに毎日弾き語りの練習をしたり、人間関係にモヤったり。悩んだり戸惑ったりしながら少しずつ成長&前進していく、ちひろたちの“ふつう”の姿にぐっときます。(ちなみに推しは策略家の厘ちゃん♡) 胸が熱くなる名場面はたくさんあるのですが、中でもちひろが、部活を辞めようとしている同級生の彩目をバンドに誘うために弾き語りを聴かせるシーンでは、電車で涙をこらえるのが大変でした(単行本3巻)。時々出てくる自意識アニマルや固定客②のサフラン(犬)も可愛くて、おまけ漫画も面白くて……。一見ゆるいのに驚くほど熱くて、どこか懐かしいのにすごく新しい。そんな“さいこうの”軽音部漫画、ぜひ読んでみてください!