箱根駅伝出場の元監督が異例の「選手」復帰…上野裕一郎38歳が佐賀で目指す「恩返し」「瀬古(利彦)さんと両角(速)先生が心配してくださって…」
正直、いつまで体が動くのか分からない
今シーズンは、5000mで13分30秒切り、10000mでは27分50秒を目指していく。マラソンにもチャレンジしたいが、今はトラックがいい流れできているので、悩み中だ。駅伝では、九州実業団駅伝を経てニューイヤー駅伝に出場し、15位以内を目標にしている。 「今は、もう勢いでやっている感じです。正直、いつまで体が動くのか分からないので、動けるうちに目標を達成していきたいですね。ひらまつ病院から別の実業団に移籍して走ることはもうないので、理事長や部長、監督に『上野くん、お疲れさま』と言われるところまで頑張っていきます。とりあえず今は、『上野、速いな』って思われるところまで戻して行きたいです」 「速い」は、陸上選手の最高の褒め言葉だ。そこを目指す覚悟が出来ているからか、それともこの町の環境がそうさせているのか、今後の目標について語る上野はまっすぐ前を見つめ充実した表情を見せている。人の視線に怯えることなく、修行僧のように陸上に集中した日々を送っているのだろうと容易に想像がつく。都会から離れた九州の静かで小さな町は、上野にとって最高の再出発の場になったようだ。
上野が毎日、心に刻んでいる言葉
「今は、この言葉を大事にして、毎日練習に取り組み、1日1日を過ごしています」 “朝、希望をもって目覚めて、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る” 上野は、この言葉を心に刻み、贖罪の旅をつづけていく。 <「騒動の真相」編からあわせてお読みください> 上野裕一郎(うえの・ゆういちろう) 1985年7月29日、長野県生まれ。佐久長聖、中央大を経て、エスビー食品に入社。その後、DeNAに所属。2018年11月に退部し、12月から立教大学陸上競技部男子駅伝チームの監督に就任。就任4年目にチームを2023年の箱根駅伝出場に導く。2023年10月、監督を解任され、2024年1月からひらまつ病院に選手として復帰
(「箱根駅伝PRESS」佐藤俊 = 文)
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