ランプのウシオ電機が虎視眈々と狙う「最先端半導体」市場
産業用ランプで世界首位のウシオ電機だが、最近は最先端半導体の製造に用いる装置に力を入れている(イメージ写真:phonlamaiphoto/PIXTA)
「ウシオ電機」と聞いて、名前は知っていても、何を作っているか知らない人も少なくないだろう。 ウシオ電機(6925)は、産業用ランプの世界トップメーカーだ。1964年の創業以来、暗闇を灯す「あかり」に限らない、ランプの応用可能性を追求してきた。経済同友会代表幹事を務めたほか、経済論客としても活躍した創業者の牛尾治朗氏も著名だろう。今年6月に享年92歳で亡くなった。 同社は現在、i線露光装置の光源として使われる半導体露光向けUV(紫外線)ランプで世界シェア75%。FPD(フラットパネルディスプレー)露光向けのUVランプでも世界シェア7割を誇る。その他、映画館で映像投影のために使われるランプでも6割強と高シェアだ。 これらのランプは消耗品なので定期的に買い替えの必要が生じる。ランプの利益率は高く、同社の業績は従来、半導体や液晶パネルの工場稼働率、映画館の稼働率に左右される傾向にあった。 しかし近年は、戦略的に育成してきた装置の売上高が増加傾向だ。ここ2年間で、装置の利益貢献度が急激に高まっており、業績は安定性を増している。従来は利益のほとんどをランプに依存していたが、直近の2023年3月期はおおよそランプで6割、装置で4割の利益を生み出している。
本文:2,364文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
吉野 月華