まさかバレるとは…アメリカ帰りの40代サラリーマン、「税務署からの1通の封書」に帰国早々の緊急事態【税理士の実体験】
「これくらいなら……」と思っていても、税務署は決して見逃しません。細部まで目を光らせています。本記事では、鄭英哲税理士のもとへ相談のあったBさんの実例とともに、税務署からの「お尋ね」について解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
会社員のもとへ届いた、税務署からの「お尋ね」
筆者は以前、消費者金融に勤めていました。現在は公認会計士・税理士・証券アナリスト・宅建士・ファイナンシャルプランナーとして活動しています。本記事では、筆者が税理士として法人・個人併せ、これまでに20回ほど担当してきた税務調査の実例を解説します。 今回紹介するのは、税務調査とまではいかないけれども「お尋ね」というかたちの「準調査」となったケースです。対象者となったのは、奨学金を借りて苦労のなか大学を卒業し、外資系企業に就職したBさんです。筆者の既存の顧客であるCさんからの紹介でした。 当時40代であったBさんからの相談内容は、アメリカから帰国すると、税務署から郵送で封書が送られて来たというもの。恐々開けるとなかには、アメリカで勤務先の株式の配当を受け取ったとみられるものの、確定申告がされていないという旨が記載されていたそうです。これは、税務署からの「お尋ね」です。つまり、海外で受け取った配当金の無申告です。簡単に説明していきます。 たとえば、日本にいる私たちがN証券でAmazonの株式を買い、日本の口座で配当金を受け取ったとします。この場合、日本で源泉徴収がされることが多いので、特になにもする必要がありません。ですが、Bさんのように外資系企業に勤務している場合、アメリカ本社の株式をアメリカの口座で受け取るケースもあるわけです。この場合、アメリカでは源泉徴収がされているため、アメリカの税務署になにかするということはありません。一方で、アメリカで受け取った配当であっても、日本で確定申告をして税金を納める必要があります。 今回の「お尋ね」は後者の海外で受け取った配当金を日本で申告していなかったことについてのものでした。 Bさんは「正直ここまで見られているとは思いもしなかった。まさか、バレる額だとは……」そうつぶやきました。