ヒョンデの野心的な中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」発表! 2030年までに年間販売台数555万台を実現しそのうちEVは200万台を目指す
水素エネルギー事業の拡大
ヒョンデは自動車メーカーではあるものの、広い視野でみれば「現代自動車」という重工業メーカーでもある。そのため、水素に関しても水素バリューチェーン事業ブランドHTWOを通じて、燃料電池システムのラインアップを拡大し、路面電車や電車、先進的な航空モビリティ、重機、船舶など、より幅広い用途をカバーし、さまざまなニーズに対応していく計画だとしている。成長要因として挙げたのは、石油、セメント、鉄鋼など、削減が困難な分野でのクリーン水素の需要増加や、船舶や飛行機などの長距離輸送での利用増加などである。 現代自動車は、持続可能なエネルギー技術とソリューションに重点を置いたHTWO事業を通じて、世界のエネルギー転換をリードすることに注力しているという。同社は、2045年までにネットゼロを達成し、生産と運営のすべての段階でカーボンニュートラルになることを目指している。これには、職場での再生可能エネルギーの導入と水素エネルギー事業の拡大が含まれている。 そのため、現代自動車にとっての水素エネルギー戦略は重要な要素であり、ヒョンデブランドの「ネッソ」のように目に見えてわかるプロダクトもあれば、廃棄物水素(W2H)やプラスチック水素(P2H)は現代自動車の水素製造技術によるもので、社会的貢献も進んでいるところだ。
まとめ
ヒョンデは2030年をEVの需要回復期とみて、「Hyundai Way」という中長期戦略を立てた。新型ハイブリッドシステム搭載車と、普及価格帯のEVとして「EREV」の市場投入を行い、EV移行期にもEVのメリットを消費者に体感してもらいながら、自然な形で2030年以降のEV乗り換えへと導く戦略といえそうだ。 その一方で、EVだけに限定することなく、あらゆる動力を選択肢として残しながら、並行して次世代技術の研究開発に対する投資を怠らない姿勢が強調された。変化の激しい自動車産業でイニシアチブを握り、世界三大メーカーの座を確固たるものにしようという、野心的な計画だと受け止めた。
TET 編集部