ヒョンデの野心的な中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」発表! 2030年までに年間販売台数555万台を実現しそのうちEVは200万台を目指す
次世代向けハイブリッドシステムの導入
ひとつめの説明ですでに長くなってしまったので、ここからは駆け足でお伝えしたい。 現在コンパクトカーや中型車を中心に7車種で展開するハイブリッドシステムを、大型車や上級ブランドのジェネシスまで計14車種に倍増させる。なお、ジェネシスはEVのみのモデルを除いた全車種でハイブリッドが選択可能になるという。 同時に、次世代ハイブリッドシステム「TMED-Ⅱシステム」を搭載した量産車を2025年1月にデビューさせる予定だ。そして、この強化されたハイブリッド機能を活用して、ハイブリッド車の販売台数を2028年までに2023年比で40%以上の増加となる133万台を目標としている。このうちハイブリッド需要が急増するとヒョンデが予想する北米では、2030年までに販売台数を69万台に増やす計画だ。
バッテリー内製化で他社競争力を強化
ヒョンデはバッテリー技術を磨き、安全技術を進化させて他社との競争力を確保したい構えだ。性能向上はもちろんのこと、コスト対策にも余念がなく、EVが安全かつ手ごろなクルマになることに尽力している。そのためにバッテリー開発能力の内製化を目指している。 2030年までには現在の高性能NCM(ニッケル・コバルト・マンガン)バッテリーと低コストなLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーを使用するだけでなく、新たな低価格帯のNCMバッテリーの開発を行っていることが公表された。 また、今後はバッテリーの搭載方式を現在のCTP(セル・トゥ・パック)に加え、CTV(セル・トゥ・ビークル)構造を採用し、バッテリーと車体を一体化することで部品点数を減らしながらも性能向上を行い、全体重量を10%程度軽減させる取り組みを行うことも併せて発表された。
自律走行車の開発
ヒョンデは世界の自動運転ソフトウェア開発企業に自動運転車を販売するファウンドリー事業を立ち上げる計画だという。ヒョンデが持つハードウェアの開発力と製造競争力を、ソフトウェア開発分野と協業することで、来たる自律運転社会でのパイオニアとしての地位を築こうというものだ。 すでに北米では、アイオニック 5を用いた自律運転技術の開発ならびにロボタクシーのテスト事業が行われているが、その実地テストと研究所発の技術で世界のリノベーターとして自律運転、ひいてはドライバーと歩行者の両方にとって安全なモビリティ社会の構築を自動車メーカーとして取り組む構えだ。すでに他社に対して先行している感のあるヒョンデの自動運転開発だが、自律運転の実現に向けさらに加速しそうだ。