インド中銀が預金準備率下げ、流動性に配慮-政策金利は据え置き
(ブルームバーグ): インド準備銀行(中央銀行)は6日、今年最後の金融政策委員会(MPC)で、銀行システムの流動性改善に向け預金準備率を引き下げた。一方、政策金利はインフレリスクを理由に据え置いた。
MPCは政策金利のレポ金利を6.5%に据え置くことを賛成4、反対2で決めた。ブルームバーグが調査したエコノミストの大半は据え置きを予想していた。
一方、潜在的な流動性ストレスを緩和するため預金準備率を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ、4%とした。
預金準備率の変更を受け、インド株の指標であるNSEニフティ50指数は上昇に転じ、0.1%高となった。10年国債利回りは4bp上昇して7.72%となり、通貨ルピーは小幅上昇した。
ダス中銀総裁は「現時点では、慎重さと現実性の観点から警戒を継続することが求められる」と述べ、成長鈍化が度を超して長引く場合には「政策支援が必要になるかもしれない」と認識を明らかにした。
インフレ率は、中銀の目標(4%)を大きく上回る水準で推移しており、10月には6.21%と、1年2カ月ぶりの高水準に達した。 ダス総裁はかねて現段階での利下げは「非常にリスクが高い」と指摘し、世界的な金融緩和の波に急いで同調しない姿勢を示していた。
中銀は2025年3月までの1年間の成長率見通しを6.6%と、従来の7.2%から引き下げ、インフレ予測をこれまでの4.5%から4.8%に引き上げた。
原題:RBI Holds Rates, Adds Cash to Balance Growth-Inflation Risks (1)(抜粋)
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Anup Roy, Shwetha Sunil