小池知事要請で「夜の街」悲鳴 銀座もピンチ
詰まない判断も必要だがリタイアが最善のケースも
また、飲食店や商業施設をサポートする「アット・エイド」取締役社長の宮本健氏は、厳しい意見になるが接待飲食業は臨時休業するしかないのでは、と話す。 「今はベタ付き接客のお店は営業を止めるべきでしょう。現在、大手デベロッパーには『賃料面の支援』と『オゾン発生機の貸出』をすることを勧めています。正しい情報があれば正確性の高い対策もできますが、現状では本当に考えられる対策は少ない。今後、世界的に経済状況が悪化していけば大量廃業、倒産、失業が避けられません。私も最初はここまで世界的な話になるとは思っていませんでした。ですがF1がオーストラリアGP開幕当日に開催中止を決め、ヨーロッパのサッカーやアメリカのバスケも止まった(中断)ので、これでは世界恐慌が始まりかねない、経済的にも危機的な状況だな、と思いました」
そんな中で宮本氏自身も、自分が何をするべきなのか戸惑っているという。 「重要なことは『責任者(リーダー、経営者)が決断し、歯切れよくスタッフとお客様に説明すること』。感染拡大源とならないため自粛を決めた組織もあれば、可能な配慮をしながら運営継続する組織もあります。情報の乏しい中では状況にアンテナを張りながら随時判断をしていくことが大事です。流れを止める、変えることは関連する人たちに負の連鎖を起こすことになりますし、スタッフの生活源である給料や賃料の支払いはリアルです。誰もが感染拡大源にはなりたくないですが、組織が詰まない判断も必要です。反面、不本意でもリタイアが最善の策と判断することもあるでしょう。ボクシングで、ボクサーの選手生命が絶たれないようセコンドがタオルを投げる、的なものです。これは正解のないこと。結果的に評価されたり非難されたりはあると思いますが、責任者に迷いがある組織の未来は暗いかなと思います」(宮本氏) 改正新型インフルエンザ等特別措置法(特措法)に基づく「緊急事態宣言」が出るのかどうか、その瀬戸際とも言われる今、“夜の街”はどのように生き残っていくのか。 (取材・文:志和浩司)