小池知事要請で「夜の街」悲鳴 銀座もピンチ
営業しながら考えられる対策を実施する店も
やはり銀座で長年会員制クラブを経営するママ・B子さんは話す。 「うちの店は狭いのですが、窓のないお店が多い銀座では珍しくベランダがあって空気を入れ替えできますんで、かなりそれは助かっているんです。あとはドアノブなどお客様や私たちの手がふれるようなところ、熱いおしぼりで拭いたあとに消毒液で毎日ていねいに拭いています。でもこのところ消毒液を手に入れるのに苦労するようになりましたね。知り合いの美容師さんから回してもらったり、なんとかしていますけど」 ただ、それもさらに状況が厳しくなる中、いつまで店を開けていられるか。 「私たちも正直、生活のためとはいえ店を開けていることが悪いような気持ちになっています。でも自分たちのことは誰も守ってくれないですから、自分たちでなんとかしなくちゃならないと思っているんですけど……なんともならないですよね。黙っていても家賃は発生するし、基本的なものは全部出ていきますから。ただ、何もそれは私たちだけじゃないから、本当に皆さんも大変なんで、自分だけ泣き言を言いたくないんですけど」(B子さん)
行き詰まる資金繰り 融資だけが頼り
また、ナイトクラブやキャバクラといった接待飲食業ではないが、創作料理店を経営するC氏も資金繰りに頭を悩ます一人だ。 「深刻ですよ。運転資金を借りる方向で手を尽くしていますが、結果的には返済しなくちゃいけないんで頭を抱えています。これまではまあまあお客様が入ってきてくれたからこそリースができたり、日銭も入って、なんとなくうまく回って生活できていた、それが突然崩れ始めてしまった……。いっそのことテイクアウトに切り替えようか、なんて考えることもあるんですが、ノウハウも乏しいし、お酒で稼がせていただいていたのが料理のテイクアウトだけでは利益率もよくないので」 現在はフリーで訪れる客はほとんどなく、心配してくれる常連さんに支えられている状況という。 「店を開けていれば出ていくもんは出ていく。自分の給料はなくてもいいんですが、人を雇っていますから社会保険料だってどんどん取られていっちゃう。うちあたりの小規模な店でも見えないところで大きな数字がかかっていて、利益なんかほとんど出てなくてお金を回しているだけだったのが、そのお金も回らなくなってきたというのが正直なところです。3月中はそれでもなんとなく回っていたんです。大人数の宴会は減っても、少人数で飲みに行こう、なんてお客様はいましたから。でもやっぱり小池知事の(3月30日夜の)会見以降はあっという間に厳しくなりました。別に知事が悪いわけじゃないんですが」(C氏) このままだと、どこかで営業自体をストップするタイミングを考えなければならないという。