「受験に落ちたら、人生終わり?」わが子に絶対“失敗”してほしくないなら、知っておくべきこと
“子どもの失敗”の定義とは?
子どもの将来の事を考えて、わが子には絶対に失敗させたくないと考えている親御さんが非常に多いのだそう。 【マンガで読む】子どもの失敗を責めずに「未来への成長」につなげる3つのコツ では、何をもって「失敗」とするのでしょうか? そこで今回は、発達障害の不登校児を育てながら、YouTubeでも大人気の精神科医さわさんの、子どもの心の声がわかる本『子どもが本当に思っていること』から「受験に落ちたら、人生もう終わり!?」という項目をご紹介します。 子どもがつまずいてしまった時、親が取るべき行動とは?
子どもの心の声「受験に落ちたら、人生もう終わり!?」
なにをもって「失敗」と言うのか クリニックに来たあるお母さんが「うちの子ってすごく失敗に弱いから、できるだけそういう経験をさせたくないんです」と話していました。 このように「わが子には絶対失敗させたくない」という親御さんは非常に多いです。 では、子どもにとって、どんなことが「失敗」になるのでしょうか? 「失敗」の定義ってなんでしょう? 考えたことありますか? たとえば、中学受験に挑戦して、もしどこにも合格しなかったとしたら、それは失敗でしょうか? 失敗だと思う方もいるかもしれませんが、受験勉強で得た知識や基礎学力は子どもにとって、けっしてムダになりません。 それまでたくさん勉強してきたという経験も、その子が育んだものです。 たとえば、そのあとに公立の中学に進学して、その知識や基礎学力をもとに勉強し続けて、高校受験で自分の志望する学校に入学できたら、それは失敗ではありませんよね。 高校受験にかぎらなくてもいいのですが、受験勉強を続けてきた過程をのちの人生に活かして、結果的に自分が納得できる道を選べたら、それは失敗とは言えません。 でも、だれかが「失敗」と決めたら、それは失敗だったと定義されてしまうのです。 受験に落ちたときに、親が「失敗した」と認識すれば、子どもも、そう認識するのです。 そうして、やる気や自信を失ってしまうこともあります。 親が結果をどうとらえるかによって、その子の今後が大きく変わるのです。 ですから、受験のときに一番気をつけなければいけないのは、結果的に子どもが自信をなくしたり、燃え尽きたり、生きる気力をなくしてしまうような結果のとらえ方を親がしないことです。 親御さんは「失敗だったね」とか「これだけがんばってきたのに、ムダになっちゃったね」などという言葉は絶対にかけないようにしてください。 なるべく、子どもがそれまでの過程を活かせるような声かけをしてほしいのです。 親も子も、それを失敗と思わなければ、「失敗」とはならないのです。やり直せることはたくさんあります。 日ごろのささいなことでもそうです。 子どもが忘れものをしたら、次からは忘れないようにしようと注意するようになります。 また、忘れものをしたら、ほかのだれかに借りるという手段もあることを学びます。そして、次は自分がだれかに貸してあげようと思うかもしれません。 自分の言動が原因で友だちとけんかをしたら、自分の言い方を見直す機会になります。 自分が失敗することで、他人の失敗にも「そんなこともあるよね」と優しい眼差しで受け入れられるようになるのだと私は思っています。 児童精神科医のつぶやき 『あなたがこれまで失敗だと思ってきたことって、本当に失敗でしたか?』