京都市で不祥事多発、職員同士のなれ合いや「緩み」指摘 懲戒処分者7人、逮捕者5人
京都市職員の不祥事多発を受け、市はこのほど、コンプライアンス推進本部の会議を中京区の市消防局本部庁舎で開いた。不祥事が生じる一因として、職員同士のなれ合いや管理監督の不行き届きが組織の「緩み」につながっているなどとして、職員の行動規範を見直し、職員指導の支援を充実させる方針を確認した。 【写真】危機感を訴える京都市長 本年度の懲戒処分者は市営地下鉄の無賃乗車を繰り返した市交通局職員ら延べ7人、逮捕者は市発注の下水道復旧工事を巡り収賄容疑のある市上下水道局職員ら5人に上る。市は8月、同本部内に「調査・検証チーム」を立ち上げ、不祥事の背景や再発防止策を検討してきた。 職員への聞き取り調査では、一部の職場で職員間のなれ合いがある▽上司の指示に従わず、威圧的な態度をとる職員がいる▽一部の長期在職者が従来のルールに固執し、業務改善を阻害する―などの問題点が浮き彫りになった。 検証結果は、一部に職員の規範意識や指導、長期在職者の人事異動に課題があり、個人や組織の「緩み」につながっていると指摘。対策として、職員の行動規範やコンプライアンス推進指針を見直す方針を確認した。 本部長の松井孝治市長は、多発した不祥事で市民から厳しい批判を浴びた2006年の事例を挙げて「当時は市役所の存亡の危機だった。あの時の危機感を共有してほしい」と幹部職員らに呼びかけた。