夫を避ける高校3年生の次男 お父さんに一言わびてもらおう 原坂一郎の子育て相談
Q 大学2年生と高校3年生の息子たちの母です。次男は高校1年生の夏から親と口をきかず、ご飯も一緒に食べませんでしたが、1年後には私とは話すようになりました。反抗期に1度、小競り合いがあった夫には挨拶をしません。同じ部屋にいるのを嫌がり、食事時間もずらします。夫は仕事も家事もし、息子たちの服のアイロンがけもします。それを次男に言っても知らん顔。夫がふびんでなりません。 A 息子さんとご主人との間に〝冷たい戦争〟が起きているようですね。仮に、口もききたくなくなるほどのいさかいが親子の間で起こったとしても、普通は1カ月もしないうちに自然と氷解するものです。その状態が2年も続いているのは、いささか異常です。 そんな状態であるにもかかわらず、息子さんのためにいろいろ頑張っているご主人をあなたはふびんに思っています。でも、そう思う時点で、あなたはご主人の味方になっています。そこまで避けたくなる息子さんの気持ちにも寄り添ってあげましょう。 もし息子がそうなったら、私ならこうします。まず、普段の生活の中で自分から話しかけていきます。「ご飯食べたか」「そろそろ期末テストかい?」など何でもいいのです。口をきいてくれないからといって、自分も口をきかないのはよくありません。それでもまだ「あのこと」を根に持ってしゃべらないようなら、「あのこと」について一言、謝ります。そうなってしまった事情も言いながら。 夫婦であれ親子であれ、けんかをしたときは皆、自分は悪くないと思っています。息子さんもそうなのでしょう。悪いのはお父さんだと思っています。ここはひとつ、ご主人に折れてもらいましょう。息子さんはずっとその一言を待っていたのかもしれませんよ。(こどもコンサルタント) プロフィル 原坂一郎(はらさか・いちろう) 23年間の保育士勤務を経て平成16年から、こどもコンサルタントとして研究・執筆・講演活動を行う。日本笑い学会理事。自他共に認める怪獣博士でもある。