3年でLTVが135%伸長! チュチュアンナが実践する顧客戦略と施策事例
3年間でLTVが135%伸長! アプリが伸びた3つのポイント
次のテーマは「アプリ活用のポイント」だ。現在、アプリの総ダウンロード数は300万を超え、EC売上の半分がアプリ経由となっている。また、LTVは3年間で135%伸長した。なぜ、ここまでアプリを伸ばすことができたのか。西岡氏はアプリが伸びたポイントとして、次の3つを挙げた。 ■ [ポイント(1)] 最小のコストで最大の利益を生む仕組みづくり アプリ会員の獲得方法は、平常時、店舗で声かけをしてアプリ会員になってもらう方法と、今入会すれば○%オフといったキャンペーンを行う2つの方法がある。以前はキャンペーン依存型で、獲得はそれなりにできるが、コストがかかるため「諸刃の剣」だったと西岡氏は振り返る。平常時の声がけは、獲得数は多くないが、コストはそこまでかからない。ただし、スタッフのモチベーションを喚起するのが難しいという課題がある。キャンペーン依存型から、平常時の獲得へとシフトするために、店舗と本部で話をしながら、3つのことを実施したという。 1. 100%声掛けテスト 一部の店舗で短期間、必ず顧客へ声を掛ける「100%声掛けテスト」を実施した。声掛け実施店舗と、全店の獲得数を比較したところ、声掛けを徹底した店舗で獲得数の伸びが確認できた。この成功事例をもとに全店舗へ展開をしていった。 2. インセンティブ スタッフのモチベーションを上げるため、さまざまなノベルティで検証していった。 3. 評価との紐づけ 評価制度は、項目に追加するだけでなく、アプリ会員を獲得すると、そのお店のお客様がどう増えていくかといった伝え方を検討しながら、スタッフとコミュニケーションをしていった。 ┌────────── 小さく始めて、それぞれのPDCAを短サイクルで、高速で回すことが成功の秘訣です(西岡氏) └────────── 結果はどうだったのか。売上軸では、キャンペーン時の新規売上は前年比72%に減少したが、平常時の新規売上は前年比137%となった。合計の新規売上は、前年比110%の結果となった。経費軸では、新規獲得コストが前年比37%まで抑制でき、獲得の経費率は5.2%から3.5%まで抑制できたという。 ■ [ポイント(2)] スピード 西岡氏は部署に対して、スピード、量、質の中で、特にスピードを優先するよう伝えているという。PDCAも、とにかく短期のPDCAをまわすことに取り組んでいる。なぜなら、「小さい変化を多く経験することで、大きな変化が訪れたときに耐えられる体制がつくれるようになるから」と話す。 ┌────────── アプリの改修回数を数えたことがあるのですが、1日あたり平均1.2回アプリを改修していました。それだけ顧客に求められるアプリを追求して、日々改修を重ねています(西岡氏) └────────── ■ [ポイント(3)] One to Oneのコミュニケーション