3年でLTVが135%伸長! チュチュアンナが実践する顧客戦略と施策事例
顧客を9マスに分類して把握
続いてどのような考え方で顧客戦略に取り組んだかが紹介された。 ■ 顧客は顧客種別×顧客ランクの9マスで全体像を把握 まず紹介されたのは、顧客戦略の全体像の把握についてだ。西岡氏は大きなポイントとして、顧客の種別と顧客のランクを9マスで把握していった点をあげた。それまでは、「会員」という大きな定義で捉えており、セグメントしての細かい分析は行っていなかったという。 具体的にどう分けていったのだろうか。まず会員を通販の会員、アプリの会員、両方を統合した統合会員の3つの種別に分けた。顧客ランクは、年間の購入金額によってシルバー、ゴールド、ダイヤモンドの3つのランクを設定した。3つの会員種別と、3つの顧客ランクを掛け合わせて、顧客を9マスに分類。それが以下の図だ。さらに、そのマスの顧客を以下の5つの数字で可視化を行った(図では具体的な数字はマスキングされている)。
1. 人数構成比 2. 売上構成比 3. 年間購入客数 4. 年間購入金額 5. LTV
┌────────── 最も売上に貢献している顧客がどのマスにいるのか、人数は多いか少ないかといった濃淡をマス単位で捉えることができました。まずは全体像を把握していくことが非常に大事です(西岡氏) └────────── ■ ボトルネックを把握して、打ち手に優先順位をつけて効率的に施策を実施
続いて行ったのは、打ち手の優先順位を明確にすることだ。9マスに分けて全体像を把握することで、ボトルネックがどこにあるのか把握しやすくなり、打ち手の優先順位がつけやすくなったという。
具体的には、新規の会員獲得に伸び代があることに気づき、新規会員獲得施策を強化した。また、ダイヤモンド会員のうち、統合会員のLTVが高いことがわかったため、アプリのみ会員と通販のみ会員に対して統合会員化を推し進めたという。
店舗とEC、ロイヤル顧客になった顧客の購入チャネルは? 顧客分析の事例を紹介
西岡氏は顧客分析の事例として、購入チャネルの分析を紹介した。チュチュアンナにとって、ロイヤル顧客にあたるダイヤモンド会員。購入回数1回でダイヤモンド会員になるお客様もいれば、5回以上でなるお客様もいる。購入回数別に、店舗とECのどちらのチャネルで購入し、ダイヤモンド会員となったかのパターンと割合を可視化して施策に落とし込んでいった。 小売の場合、店舗とECの両方で購入いただくクロスユースの顧客を増やしたいと思うだろう。そのため、店舗で購入したお客様へ、ECのクーポンを案内するのはよくある施策だが、「店舗とEC、両方のチャネルを横断する顧客よりも、同一チャネルでダイヤモンド会員になる方が多い」と西岡氏。 ┌────────── 分析すると、同一チャネルでロイヤルティをあげていくお客様が多いのです。お客様の消費行動を無視したご案内は避け、お客様が不便に思わないご案内をすることを心がけています。結果として、F2転換率などのリピート転換が改善しています(西岡氏) └──────────