巨大空港税関“密輸阻止の舞台裏” 偽ブランド品から金製品まで…なぜ関空に?
■偽物?本物?「区別つかない」
大阪税関で差し止められた偽ブランド品等の知的財産侵害物品はおよそ22万点で、その約8割が中国からのものでした。 午後3時半、上海からの便でやってきたのは、中国人女性です。会社経営をしており、世界を行き来しているそうです。 税関職員 「税関に申告するものないですか?」 中国人女性 「ない」 税関職員 「カバン見てもいいですか?」 中国人女性 「ヨーロッパにいた」 スーツケースから出てきたのは財布。さらに、ブランド品が次々と出てきます。これは、自分のものなのか、それとも…。 税関職員 「新品?」 中国人女性 「新品みたい」 税関職員 「これ誰にあげるの?」 中国人女性 「友達」 税関職員 「ちょっと待って。これは?」 さらに、ブランド品のバッグも出てきました。中からバッグのカードも…。詳しい話を聞くために、別室に向かいます。 税関職員 「税関に申告するものないね?」 女性 「ない」 税関職員 「これは何?ヴィトンとかサンローランとか全部ブランドでしょ?」 女性 「あのカバン、私は使ってる。新品だけど」 高価な品物でも、自分で普段使っているものは課税の対象とされません。しかし、旅行中に購入したものを「使用中」と偽って持ち込んだ場合は、課税対象となります。 税関職員 「使ってるにしてはきれいすぎるし、ヴィトンのカードもそのまま入れているでしょ。使っていたら取るでしょ」 女性 「持ってるだけ。私が使っているよ」 税関職員 「いつ買ったの?」 女性 「一年前」 税関職員 「一年前に買ったやつが、なんでカードまだ入っているの?きれいすぎるね」 女性 「私はもらっているから」 税関職員 「買ったんでしょ」 女性 「私が買ったんじゃない。買ってもらった」 女性は「自分が買った」と言っていたのに「友達に買ってもらったもの」だと、言い始めました。すると…。 税関職員 「これってメンズじゃないですか?レディースじゃないでしょ。そうやね。こっちのカバンもメンズやね。なんで持ってきたんですか?自分で使うやつじゃないでしょ。女性がわざわざ男用のを買って、女性のあなたに渡すの?これは20万円を超えるお土産品として処理します」 中でも高価なバッグ・財布・ベルト3点のブランド品には、およそ7万円の税金が課せられます。 女性 「でも、本物とか分からないよ」 税関職員 「え?偽物なの?犯罪やで、それ。偽物やったら、それはそれで犯罪だよ」 女性は「偽物か本物かも区別がつかない」と訴えました。この後、ブランド品は本物と確認され、女性は税金を支払い入国しました。 これから年の瀬にかけて、水際での密輸阻止に向けた巨大空港税関の業務は、さらに忙しさを増します。
テレビ朝日