米国株式市場=下落、FRB議長発言で年内利下げ期待が後退
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを急ぐ必要はないという見解を示したことを受け、年内の追加利下げへの期待が後退した。 パウエル議長は講演で、経済情勢は「極めて良好」で労働市場の状況は底堅く、インフレ率は目標の2%にまだ達していないとし、FRBは利下げについて慎重に決定を下すことができるとの見方を示した。 CMEのフェドウオッチによると、市場は引き続き12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)利下げを予想しているが、確率は55.5%に低下。講演前は76%、前日は82.5%だった。 ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのマルチアセット担当グローバル責任者アダム・ヘッツ氏はパウエル議長発言について「以前は非常に楽観的だった利下げ見通しにさらに冷や水を浴びせた」と述べた。 米労働省が14日発表した10月の卸売物価指数は前年比2.4%上昇した。伸びは前月の1.9%から加速し、市場予想の2.3%を上回った。前月比は0.2%上昇で予想と一致した。 11月9日までの1週間の新規失業保険申請件数は前週比4000件減の21万7000件。エコノミスト予想は22万3000件だった。 大統領選後に大きく上昇していた防衛関連銘柄への売りに押されて工業株が下落。RTXは3.9%安、ゼネラル・ダイナミクスは6.9%安だった。 電気自動車(EV)メーカーへの売りなどを背景に一般消費財株も下落し、テスラが5.8%安、リビアン・オートモーティブは14.3%安。ロイターはトランプ次期米大統領の政権移行チームがEV購入者に対する最大7500ドルの税控除措置の廃止を計画していると報じた。 一方、メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーは約6%上昇。第4・四半期の利益が予想を上回ったほか、2025年通期についても明るい見通しを示したことを好感した。 高級ブランド「コーチ」などを傘下に持つタペストリーは12.8%急伸。同業カプリ・ホールディングスの買収を断念したと発表した。カプリも4.4%高。 ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.8対1の比率で上回った。ナスダックでも2.14対1で値下がり銘柄数が多かった。 米取引所の合算出来高は153億4000万株。直近20営業日の平均は136億8000万株。 終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード ダウ工業株30種 43750.86 -207.33 -0.47 44032.38 44080.78 43704.82 前営業日終値 43958.19 ナスダック総合 19107.65 -123.07 -0.64 19256.09 19275.8 19073.39 前営業日終値 19230.73 S&P総合500種 5949.17 -36.21 -0.6 5989.68 5993.88 5942.28 前営業日終値 5985.38 ダウ輸送株20種 17423.12 -115.42 -0.66 ダウ公共株15種 1016.48 -6.58 -0.64 フィラデルフィア半導体 5004.59 -1.7 -0.03 VIX指数 14.31 0.29 2.07 S&P一般消費財 1745.48 -27.22 -1.54 S&P素材 578.32 -4.06 -0.7 S&P工業 1181.55 -20.27 -1.69 S&P主要消費財 868.07 -1.92 -0.22 S&P金融 824.36 -2.16 -0.26 S&P不動産 268.81 -2.53 -0.93 S&Pエネルギー 724.49 1.02 0.14 S&Pヘルスケア 1683.5 -26.29 -1.54 S&P通信サービス 331.05 -2.19 -0.66 S&P情報技術 4592.25 2.16 0.05 S&P公益事業 395.66 -1.52 -0.38 NYSE出来高 5.94億株 シカゴ日経先物12月限 ドル建て 38995 + 415 大阪比 シカゴ日経先物12月限 円建て 38970 + 390 大阪比