離れても消えぬ「きらやか魂」 JR東日本東北が都市対抗野球大会準優勝…B-net/yamagataの“戦友”に伝わった2投手の思い
「嬉しい」が99.9%、良い意味での「悔しい」が0.1%
7月29日、天童市スポーツセンター野球場で行われた東北マークス戦。敗戦の中、4番に座った新井諒内野手(28)は四球と二塁打で2度出塁し、気を吐いた。 新井は法政大を卒業後、きらやか銀行で5年間プレーした。元チームメイトである小島、武田が出場する都市対抗はライブ配信や速報でチェックしていたといい、「武田が投げて吠えているシーンを見ると鳥肌が立ちましたし、小島さんもさすがの投球をしていた。二人が東京ドームの舞台で輝いているのはすごく嬉しかったです」と声を弾ませた。
「ただ…」と新井。「自分も現役で野球をやっている以上、頭の片隅には、自分たちも全国の舞台に立って、小島さんや武田に『俺らも頑張っているよ』『負けていないよ』というところを見せたい気持ちがありました。(二人の活躍は)『嬉しい』が99.9%、良い意味での『悔しい』が0.1%。頑張るモチベーションには確実になっています」と続けた。 社会人3年目までは投手をしていたこともあり、ポジションが同じで年の近い武田とは特に仲が良かった。今も連絡を取り合ったり、山形で会って野球の話をしたりしているという。「武田も『きらやか銀行時代があるから今の自分がある』と話してくれている。最後に戦ったメンバーの思いを背負って、『きらやか魂』で覚悟を持って投げてくれていると思う」。画面越しに、戦友の気迫が伝わってきた。
新井は「表面上は『あと1勝』で全国だったんですけど、(本選出場チームとの)差は大きいと感じました。同じように練習して次のシーズンを迎えたら、来年も同じようにやられてしまう。どこに差があるかを見つけていかないといけない」と気を引き締めつつ、「それを見つける楽しさは去年以上に増しています」と笑みを浮かべた。クラブと企業の違いはあれど、新井も「きらやか魂」を原動力に前へ進んでいる。
大学、社会人でともに戦った後輩と交わした約束
東北マークス戦で3番を打ち、4回に好機を広げる安打を放った林弘樹内野手(32)も、きらやか銀行で9年間プレーした選手。「自分たちはきらやか銀行の選手として都市対抗の舞台に立つ権利を失った。その中で二人が活躍している姿は嬉しいですし、うらやましいとも思います」と率直な思いを口にした。 小島は東京農業大時代からの後輩で、都市対抗初出場を果たした2016年を含め3度、東京ドームの舞台でともに戦った。小島の移籍後も頻繁に連絡を取っており、今大会中も「俺も勝つからお前も勝てよ」とメッセージを送っていた。