離れても消えぬ「きらやか魂」 JR東日本東北が都市対抗野球大会準優勝…B-net/yamagataの“戦友”に伝わった2投手の思い
林自身はきらやか銀行の無期限休部が決まった際、「いつクビを切られてもおかしくないと思っていたので、野球を続けるか続けないか迷った」。ただ、埼玉出身で、当初は縁もゆかりもなかった山形への愛着は年月とともに深まっており、「山形の野球を盛り上げることに自分も貢献できるのならば、体が続く限り野球をしよう」とB-net/yamagataで継続する決断を下した。林もまた、「きらやか魂」を貫く男の一人だ。
敗戦は「死に物狂いで」全国目指す1年の始まり
今大会は佐藤航太投手(21)、先崎友太投手(23)、齋凌矢投手(24)と新入団の3投手がマウンドに上がり、野手も東北マークス戦でバント安打を決めた本間樹真内野手(18)ら若い選手が積極的に起用された。ベテランと若手が競い合う土壌ができ、チーム力が高まってきていることは間違いない。これからは新井の言う「クラブ選手権予選に向けた気持ちの持っていき方」などの課題をあぶり出し、差を埋めるための努力と工夫をする時間が必要になる。
今年もまだ半ばだが、来年まで、全国大会につながる公式戦はない。だからこそ、それまでの過ごし方が飛躍の鍵を握る。「応援してくれている人たちのためにも、来年こそは死に物狂いでクラブ選手権の出場権を取りにいく」とは林。その思いは、B-net/yamagataの選手たちの共通認識だ。 新天地で奮闘する元きらやか銀行戦士が歴史を変えたように、B-net/yamagataが明るい未来を切り開くことを期待する人は少なくないはず。山形の地で、次なる挑戦が始まる。
(取材・文・写真 川浪康太郎)