「まあ、いいか!」でOK!医師が教えるダイエットを成功させる“健康メンタル”の保ち方
健康診断の数値が悪い、体形が気になるなど、健康を意識するタイミングがあっても、実際に体調が悪くなったり病気になったりしないと、ダイエットはなかなか続けられないもの。そこで、飲み続けるだけで体の悪いあぶらを落とすスープを考案し『血液と体の「あぶら」を落とすスープ』(アスコム)を上梓した医師の五藤良将さんに、健康習慣を続けるためのマインドとスープのレシピを教えてもらった。 【写真】うつむき加減の女性。ほか、ダイエット成功のために心がけたいことを写真とともに紹介
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「不健康メンタル」を生み出すNGワード
例えば、五藤さんが考案したスープを飲み続けるだけ…というダイエットでも、「よしやるぞ!」という気合いが長続きせずに、いつの間にかスープを飲まなくなってしまった、という人が続出すると五藤さんはいう。 「続かないだろうと予言するのには理由があります。それは、健康になるためのメンタルのもち方(心がまえ)である『健康メンタル』が育ちきっていないからです。むしろ、『またうまくいかなかった』という『不健康メンタル』さえ生み出しかねないのです」(五藤さん・以下同) ◆合言葉は「まあ、いいか!」 ダイエットの習慣が続くだけでなく、ほかのやりたいことにも好影響があると五藤さんが話す「健康メンタル」。それを手に入れる方法は、新しく何かをはじめるとき「まあ、いいか!」を合言葉にすること。 「がんばり屋さんにはよくあるのですが、気合いを入れすぎて、絶対毎日『あぶら』を落とすスープを続けるぞ!と強く思ってしまいがちです。 さらに、あれもこれもと、食生活を極端に正そうとしがちでもあります。しかし、次第に『こうしなきゃ』という思いが重くのしかかるようになってきます」 そうして、決め事が守れない罪悪感で「どうせ」という気持ちが生まれ、それがあきらめにつながって、何度も挫折してしまうという。これが「不健康メンタル」だ。 「絶対にこうしなきゃ」という思いで自分の首をあきらめるのではなく、「たまにはいいか」と、羽目を外すことがあってもいい、むしろ、そのほうが健全だと五藤さんは考える。 「1日や、数日単位で考えてしまうから、落ち込んだり、しんどくなってしまうのです」 ◆早く結果を出そうと焦るのはNG 「また明日からがんばればいい」くらいの気持ちでいるのがよく、焦ってすぐに結果を求めようとするのは、「不健康メンタル」のもと。「早く結果を求めようとすると、逆に結果が出ない」と五藤さんはいう。 「そもそも、みなさんの体にたまっている悪いあぶらは、1日、2日でたまったものではありません。あなた自身が長い年月をかけて少しずつ、少しずつためてきたものです」 健康的なダイエットの目標設定は、3か月~6か月で3%減といわれており、この数値は80kgの人なら2.4kg、60kgの人なら1.8kgと見た目などでの実感は得にくい。しかし、長期的にみると、健康に関してはゆっくりやろうとしたほうが、急いで結果を求めた人よりも結果が出るという研究もあるという。 一例として、短期間(3か月)と長期間(9か月)で減量したグループを比較した研究では、後者の方がダイエットの成功率は高かったものの、3年後には前者の方が脂肪量の減少が大きかった。さらにこの研究では、急激な減量をした被検者の骨密度は、緩やかに減量した被検者の約2倍も減少していたという。 「また、国内で行われた調査によると、特定健診でメタボリックシンドロームと診断された約3400人のうち6か月間で体重を3~5%落とした人たちは、血圧も血糖値も、そして悪玉(LDL) コレステロールも改善したという報告があります」 多くの患者を診てきた五藤さんの経験として、血圧や血糖値には年内変動があるという。そのため、目の前の数字に一喜一憂するよりも、体にいい食生活を続け、体が確実に変わってきていると信じる方がいいと話す。 「一概にはいえませんが、夏は自然に運動量が増えたり、気温も高くなるため、血圧も血糖値も数値がよくなる方が多いです。逆に、運動量が減り、気温も低下する冬は、悪くなる方が多いです。 血圧や血糖値ほどではないですが、コレステロールや中性脂肪にも変動があります」 ◆具体的にイメージを思い描く 「何かこうしたい」と思うことは物事を続ける強いモチベーションとなる。娘のために長生きしたいと願っている五藤さんの患者もその1人で、健康的な生活を心がけ、健康管理につとめることができているそうだ。 さらに、「『こうしたい』と『これならできそう!』を掛け合わせると、最強の『健康メンタル』が生まれてきます」と五藤さん。 目標の達成率をあげるためにすることは、手帳や日記、チラシの裏でもいいので自身の目標を書き出すだけ。 「ドミニカン大学の心理学教授ゲイル・マシュー博士の研究によると、自分の目標を書き出せば、それを達成する確率が4%も上昇するというのです。紙に書き出すなら、1分もかからないでしょう。それだけで達成できる確率がグンと上がるなら、やってみてもいいかも?と思いませんか」 五藤さん自身も、医師への憧れを最初に抱いたときは、自分がなれるとは思っていなかったという。しかし、「医師になりたい」という明確な目標を掲げてから、できることをコツコツ積み重ね、夢をかなえたという。