「帯状疱疹ワクチン」定期接種へ 厚労省が最終調整 帯状疱疹の初期症状やワクチンの有効性とは
症状が酷い場合は、日常生活にも支障をきたす帯状疱疹(たいじょうほうしん)。予防するためのワクチンの有効性や定期接種による効果については気になるところです。 【イラスト解説】冬に感染しやすい“3つのウイルス”の症状・対処法 これまで検討されてきた帯状疱疹ワクチンの定期接種について、厚生労働省は「最終調整に入った」と報じています。 また、2025年4月から65歳を対象としていますが、65歳以上の人も接種できるように「5年間の経過措置を設ける」とも発表しています。このニュースについて眞鍋医師に伺いました。
帯状疱疹とは?
編集部: まず、帯状疱疹の原因や症状について教えてください。 眞鍋先生: 帯状疱疹は、幼い頃に「水ぼうそう」として発症します。ウイルスは生涯にわたり潜伏感染している状態ですが、免疫力によって活動が抑えられています。しかし、加齢やストレスなどが原因で免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して帯状疱疹の症状が表れます。 皮膚の疼痛と皮膚病変が主な症状ですが、周囲にうつることはありません。多くは上半身に症状が出現し、顔(特に目の周り)や首にもみられることがあります。 病変の位置によっては「外出に抵抗を感じる」「激しい痛みで動くのがつらい」といった、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。合併症としては、皮膚病変が治癒した後に疼痛が残存し数カ月~数年持続する「帯状疱疹後神経痛」が挙げられます。
帯状疱疹ワクチンの有効性
編集部: 帯状疱疹を予防するためのワクチンの有効性について教えてください。 眞鍋先生: 厚生労働省の予防接種基本計画(2014年)の開発優先度の高い6つのワクチンの中に、帯状疱疹ワクチンが含まれています。 2024年6月、ファクトシートに対する議論の結果、ワクチンの有効性・安全性が確認され、費用対効果も良好として定期接種化の議論をおこなうことになりました。 ワクチンには生ワクチンと組換えワクチンがあり、組み換えワクチンについては「接種後10年以上、有効性が持続する」という臨床試験データがあります。