選手が楽しんでプレーするなど言語道断だ。重圧から逃げることなく、苦しんで打ち勝て。欲を持って少しでも上を目指すのがプロだ【張本勲の喝!!】
聞きたくない言葉
現役時代は常に緊張感を持って打席に入っていたという筆者。野球を楽しもうと思ったことは一度もない[写真=BBM]
ペナントレースも開幕から間もなく2カ月を迎え、どのチームも40試合ほど戦い終えたことになる。勝負はまだ先になるが、以前にも触れたように、この段階ではとにかく大きな連敗をすることなく、悪くても5割をキープしていくことだ。貯金を増やすに越したことはないが、それよりも大きな借金をつくらないこと。5割をキープしていれば勝負の夏場にチャンスはあると思う。 さて、今回は選手たちのコメントについて、私が以前から引っ掛かっていることを話しておきたい。 「あまり重圧に感じないで勝負を楽しんでいきたいです」 「打者との駆け引きを楽しんで投げていきたいです」 こんなコメントを選手の口から聞いたことはないだろうか。共通しているのは「楽しむ」という言葉だ。これが私には分からないし、選手から聞きたくない言葉なのだ。 言いたいことは分からないでもない。苦しんでいても始まらない。あまり自分に重圧をかけず、気持ちに余裕を持って、もっと楽しんで野球に取り組みたい、勝負したい。楽しんでプレーしたほうが結果も出やすいということなのだろう。 ただ、私から言わせれば・・・
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週刊ベースボール