835psのV12ツインターボ搭載! 新型アストンマーティン・ヴァンキッシュ登場
剛性を高めたシャシー
シャシーはアストンマーティン独自のアルミニウム製押し出し材を接着して構成される。剛性を強化する部材を追加したことにより、前フラッグシップモデルのDBS 770アルティメットに較べ横剛性を75%向上させた。このほかフロントサスペンションタワー間にクロスブレースが採用し、ねじれ剛性と横剛性を高めている。 サスペンションは近代アストンマーティンの定番といえるフロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクを採用する。専用のキャリブレーションが施されたビルシュタイン製DTXダンパーは、ドライブモードごとにセッティングを変えることができる。 フラッグシップモデルだけにカーボンセラミックブレーキが標準装備され、スチールローターに較べ27kgのバネ下重量の削減に貢献している。 アロイホイールは21インチの鍛造製。タイヤは専用設計のピレリP-Zeroで、ヴァンキッシュのために開発された専用品が組まれる。こちらには室内の騒音を半減できるピレリ・ノイズ・キャンセリング・システム(PNCS)を備える。
気品を感じさせるデザイン
スタイリングは近年のアストンマーティン2ドアクーペの流れを汲むもので、より洗練されたデザインでまとめられている。この種のモデルにある威圧的な造形は見られず、アストンマーティンの伝統と気品を感じさせる。 ボディサイズは全長4850mm、全幅1980mm、全高1290mmで、DBS 770アルティメットに較べ全長が135mm、全幅が10mm、全高は5mm大きくなった。またDBSでは2+2だったが、新型ヴァンキッシュでは2シーターと割り切られている。 フロントバンパー、フェンダー、グリルのデザインを一新。なかでもグリルは開口部がDBS 770アルティメット比で13%拡大され、エンジンの冷却性能を高めた。 独自の装備としては、光透過率6%のティンテッドガラスによるパノラミック・ラスルーフが標準で備わることに注目したい。今回展示されたヴァンキッシュは、オプションのカーボンルーフ仕様だった。 テールライトはヴァルキリーに始まるLEDライトブレードを片側7個ずつ配置。モダーンなデザインで新型ヴァンキッシュであることを主張する。またフロントのデイライトは、DB12やヴァンテージと同様にLEDライトブレードを使用する。 リアエンドのデザインも特徴的だ。トランクリッドの上端はダックテールとされ、「シールド」と名付けられた、浮くように取り付けられたガーニッシュパネルがテールライト間に位置し、カーボン地色かペイント仕上げを選べる。