エンジン不正の日野自動車、工場敷地の5割売却へ…財務基盤の立て直し図る
日野自動車は27日、東京都日野市の本社に隣接する日野工場について、敷地の一部を売却すると発表した。日野は北米向けエンジンの認証不正の影響で巨額の特別損失を計上し、2025年3月期連結決算の最終利益が、2200億円の赤字に転落する見通しになっている。土地売却によって、財務基盤の立て直しを図りたい考えだ。
対象は、日野工場の約5割にあたる15・5万平方メートルで、売却先や価格は未定としている。昨年9月には、これとは別に同工場の一部(11・4万平方メートル)をデータセンターとして開発する三井不動産に売却した。譲渡益は約500億円だった。
日野が10月に発表した中間連結決算は、認証不正に伴う米当局への和解費用などで2300億円の特別損失を計上。最終赤字は中間期として過去最大の2195億円に膨らんだ。自己資本比率は12・9%まで落ち込み、財務体質の改善が急務となっている。
日野工場は1942年に操業開始。かつては中・大型トラックの主要な生産拠点だったが、現在は多くの機能を茨城県の古河工場に移管した。現在は、トラックの部品を生産している。