フェラーリのV12 FRフラッグシップが最注目!「550バルケッタ」「スーパーアメリカ」「575M」のうち、約1億円で落札された跳ね馬は?
フェラーリ「スーパーアメリカ」
RMサザビーズはさらに、2024年のモントレー・オークションにこの575M マラネロベースのオープン仕様、「スーパーアメリカ」も用意してみせた。スーパーアメリカは、575M マラネロをベースとして製作されたオープンモデルで、それは550マラネロに対する550バルケッタ ピニンファリーナの関係に等しい。 生産台数は559台とされたが、それには550バルケッタ ピニンファリーナには存在しなかった、実用的なルーフが備わっていたことが大きな理由であったとされる。ちなみにそのルーフは「レボクロミック回転式ハードトップ」と呼ばれるもので、システムは比較的単純なもの。Bピラー部の回転軸でハードトップを前後に回転させ、オープンスタイルとクローズスタイルを作り出すというものだ。 これはかつてピニンファリーナでチーフスタイリストを務めたレオナルド・フィオラバンティが特許を持つ技術であり、さらにスーパーアメリカの場合には、キャビンのダイヤルスイッチでガラスの透明度を調整することができた。ルーフの開閉に必要な時間はわずかに10秒。その実用性はじつに高かったのである。 出品車は2005年にマラネロで完成されると、すぐにアメリカへと出荷され、現在までに1万500kmの走行距離をオドメーターに刻むのみ。ミッションは人気の高い3ペダルの6速MTで、それも今後さらに評価を高めていく大きな理由となることだろう。エスティメート(推定落札価格)には、57万5000ドル~70万ドル(邦貨換算約8510万円~1億360万円)を掲げていたが、今回の落札価格は、RMサザビーズの予想落札価格の範囲内に収まる、66万5000ドル(邦貨換算約9726万円)。アメリカではやはりオープン・フェラーリの人気は圧倒的に高いようだ。
山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)
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